それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうに


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1: 久遠 (2004/03/21 00:13:20)

  
 注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。

 

 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのじゅうに



 side by エミヤ


 遠坂の音波兵器にやられたセイバーと衛宮士郎がやっと回復した。


 「……遠坂、お前声がでか過ぎだって」


 「うー、だってしょうがないじゃないこのバカが変なこと言うんだもん」


 赤くなって衛宮士郎に言い訳をする遠坂。

 あー、なんかこんな光景よく見たな。

 
 「それで、何の話をしていたんだ?」


 「柳洞寺についてです。

  貴方は何か知っていることはありますか?」


 オレの問いかけにセイバーが答える。


 「柳洞寺、キャスターか」


 キャスター、彼女は直にギルガメッシュにやられてしまった。

 真名は全く解らない、ただあの時宝具だけは観れた。

 なので宝具の能力は今なら知っている。
 
  
 そして柳洞寺にはアイツがいる。

 アサシン、佐々木小次郎。

 修練のみで英霊の宝具の奇跡と同等の剣技を持つにいたった存在。

 
 「あそこへは攻め込むべきではないな。

  二体二とは言え場所が悪い」


 わざわざキャスターの根城に攻め込む愚を犯す必要はないだろう。



 side by 凛

 
 「あそこへは攻め込むべきではないな。

  二体二とは言え場所が悪い」


 「二対二? 

  どう言うことなのバトラー?」


 此方はバトラーとセイバーの二人、相手はキャスター一人。


 「あそこにはアサシンもいる」


 ……もう何も言うまい。

 このサーヴァントの異常性に付き合っていたら身がもたない。


 「それでアサシンとキャスターについて知ってることはあるの?」


 「アサシンの方は正規の存在ではない、真名は佐々木小次郎。

  宝具は知らない」


 確かに、佐々木小次郎なんて英霊はいない。

 それにアサシンには「山の老翁」が選ばれるはずだ。


 「キャスターの方だが宝具は破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)だ。

  これは究極の対魔術宝具と言える、全ての魔術を破戒するのだからな。

  ただ真名の方は解らない」

 
 「全ての魔術を破戒するって……。

  もしかしてマスターとサーヴァントの関係も?」


 「ああ、おそらく破戒できる」


 うわ、それって最悪の宝具じゃない。

 だとすると現状では柳洞寺はほっとく方がいいか。


 「私は攻めるべきだと思います」
  
 
 等と私の意見と食い違う意見を言うセイバー

 
 「どうしてかしらセイバー、

  今柳洞寺に攻め込むメリットがないと思うけど」


 「リンは反対だと?」

 
 「そうね、バトラーも乗り気じゃないみたいだし。
 
  パスするわ」


 「わかりました。

  それではシロウ、私たちだけで寺院に赴きましょう」


 いやいや、多分士郎も行かないと言うわね。



 side by エミヤ


 セイバーと衛宮士郎の言い合いはほぼ前回のオレと同じだったろう。

 だとすれば彼女の事だ抜け出すに違いない。

 ん、どうやら動いたようだな。


 セイバーに悟られないように距離をおいてついて行く。


 
 長い階段を登った先にソレはいた。

 あの時と同じ敵意を感じないのに隙がないその存在。


 セイバーとアサシンの会話を聞くともなしに聞く。

 ……あの美形、オレのセイバーに対してもあんなこと言ったのか?
 
 前回オレがここについた時には既に戦いが始まっていたので知らなかった。
 
 あのアサシン絶対に女垂らしだ。


 そして戦いが始まる。

 セイバーが攻めるがそれをアサシンは事も無げに捌き弾いていく。

 
 ……正直驚いた。

 セイバーが苦戦したのは知っていたがこれ程とは。

 
 そして完全にセイバーの剣が見切られ、

 アサシンが有利な足場から下りていく。

 何のつもりだ?

 そして、


 「構えよ。

  でなければ死ぬぞ、セイバー」


 そんな言葉が聞こえて来た。

 セイバーがあの時言っていた「燕返し」だろう。

 
 そして、オレは二度目の第二魔法を見ることとなった。


 多重次元屈折現象(キシュア・ゼルレッチ)


 一体誰が信じると言うのだ、ただ剣技のみで魔法や神秘の領域に達しようなどと。
 

 ……こいつを絶対遠坂には会わせられないな。

 マジで切れかねない。


 そして、セイバーが剣を構える。

 どうやら聖剣を使う気だな、

 だとすればそろそろ衛宮士郎も来ることだし、頃合か。

 
 「少々無粋だが、その辺でやめておけ」


 オレはそう声を掛ける。 

 

 side by セイバー


 このアサシンは強い、

 もしも完全な「燕返し」がきたら間違いなくこの身は切られる。

 なら全力を持って打倒するのみ。

 そして聖剣を解放しようとした時、


 「少々無粋だが、その辺でやめておけ」


 ここにいる筈のない彼の声を聞いた。

 
 「ほう、私に気がつかせないとはな」


 「ふん、セイバーを前にして鼻が伸びてたのだろう」


 な、何を言っているのだ彼は。


 「セイバー、ここは引け。

  お前の宝具を見ようとする者がいる。

  それにそろそろヘッポコなマスターがくるぞ」


 シロウが?

 くっ!
 
 だとしたら引くしかない、

 今回のマスターはおそらく戦闘の続行を許可しない。


 「解りました。

  アサシン、この勝負預けてもよろしいか?」


 「……仕方あるまい、だがいずれこの勝敗は決するぞ」


 そう言ってアサシンは山門の方へと歩いていく。


 「バトラー、何故貴方が此処にいるのですか?」


 「なに、無鉄砲なお姫様が無理をしないか見に来ていたにすぎんよ」


 「む、その言い方なんですか!

  撤回を要求します!」

 
 まったく失礼極まりない。

 だが彼のおかげで助かったのも事実だ。

 あのまま聖剣を使っていたらその場で現界できなくなっていただろう。


 「セイバー!!」


 だとしたら階段を全力で駆け上ってくるあのマスターにどれだけ怒られるか

 解ったものではない。

 ならば、


 「バトラー、感謝を」 
 
 
 彼の執事はあらぬ方向を向いている。

 ふと一瞬見えた彼の顔が少し赤かったのは眼の錯覚だろうか?



 ふぃん




 あとがき

 どうも久遠です。

 ぬぬ、20日に更新が間に合わなかったです。 

 しかも小次郎さんほとんどしゃっべってないし。

 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。


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