聖杯はきみへの・・・13 完結 傾:シリアス


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1: non (2004/03/17 22:04:36)[nonn at poppy.ocn.ne.jp]

聖杯はきみへの・・・13話










「出来たわよぉぉぉ〜〜〜〜〜。」




心地よい眠りの中にいた俺はキャスターの雄叫びで目を覚ました。
体はだいぶマシな状態になっているようだ、
あれ、妙に右腕が重い・・・




布団をめくるとさらさらした金髪、



思考が停止する。




「士郎、出来たって言ってるでしょう?いつまで寝てるのよ。」




遠坂も止まる。



その後ろからこちらを覗き込んだキャスターも止まる。



「「セ、セ、セイバーが・・・・」」













「増えた!」
「何でここにいるの?」





妙に外れたことを言っているキャスターをほっといて遠坂の質問に答える。
あの笑みは危険だ、ここで返答を間違えれば俺の命は今日で終わる。



「いや、その、この子はセイバーであってセイバーでなくて
 たしかにセイバーではあるんだけれど俺たちの知っているセイバーの
 違うセイバーの・・・・」


うわあ、自分でもなに言ってるかわからない、
混乱の極みだ。


「そんなことは些細なことよ、それよりも士郎ちゃん
 その子にも私の約束は適応されるのよね?」


遠坂の質問を切り捨ててキャスターが問う。



「うぅん。」

騒がしくなったせいで目が覚めかけているのか、
セイバーが俺の腕を抱く力を強める。



だめだ、今はこの柔らかい感触に身をゆだねちゃだめなんだ。




キャスターは返事を本気で待ってるし、
遠坂はそろそろガントを発射するかもしれない。
二人とも徹夜のせいか、目の下に隈ができている。








「聖杯が呼べたってことは、もうセイバーを迎えに行けるってことか?」


この状況をなんとしても抜け出して
彼女を迎えにいかねばならない。















目の前にはいつか見た聖杯がある。



「アヴァロンへの道を作りたい。」



その言葉に頷くキャスター。




部屋中に散らばる栄養ドリンクのビン。


帰ってきたら片付けよう。














記憶にある姿とまったく変わっていない、
彼女を抱いてアヴァロンを出る。




お姫様はやっぱりねぼすけみたいだ。
俺の腕の中でかわいらしい寝息を立てている。




「セイバー、そろそろ起きたほうがいいぞ。」



「ん、シロウ?」




閉じられていた瞼がゆっくり開いていく、
その瞳が俺を捉えると、


「これが夢の続きですか。」


なにやらコクコク頷いている。




あまりに見知ったその仕草に愛しさを覚える、
でも彼女の誤解は解く必要がありそうだ。



「夢じゃないよセイバー、これからずっと一緒にいるんだ、
 夢だったら困るじゃないか。」



その言葉を聞いてセイバーの表情が変わっていく。



「迎えに来たよ、王じゃない君を。」


「シロウ・・・」



その頬にそっと口付けをする。




長い長いトンネルはまだまだ続いている。


これまでのことを彼女に話して聞かせようか?


もう一人のセイバーを見たらどうするのかな?


彼女はもうセイバーのクラスで存在しているわけじゃない、
同じ名前じゃ不便だし、
これからは名前で呼ぶことにしようか?



「シロウ、降ろしてください。私は自分で歩ける。」


さっきからお姫様抱っこは不評らしい、


足をバタバタさせるとバランスが崩れるじゃないか。



「ダメ。」



「なぜですか!納得できません。」



「理由は今からじっくり話すよ、君に聞いて欲しいことなら山ほどある。」







空間を貫通した、魔力による抜け道を

真っ赤になってしまった彼女を抱えて歩く。










部屋に帰ってきた、
聖杯がなくなった以上、聖杯戦争は終了だ。


キャスターと遠坂はなぜか俺の部屋で布団を敷いて寝ていた。



寺に居ついているライダーは
ランサーと一緒にいるようだ。



「シロウ、彼女は誰ですか?」



そうだ、俺は大事なことを失念していた。


どうしてお姫様抱っこなのかを丁重に説明しすぎてアルトリアにセイバーのこと
説明するの忘れてた。


ついでにセイバー、寝てるうちに聖杯使ったから絶対に現状把握してない、
頭に?マークが出ているのが何よりの証拠である。



「士郎、お腹が空きました。」




とりあえず自分の要求を提示することにしたらしい。











世界と契約したことを遠坂にばらされてアルトリアが拗ねたり、


ランサー維持するのに宝石いくつあっても足りないと遠坂が暴れたり、


ライダーのマスターが実は桜だったり、




















犠牲がなかったわけじゃない、

でも、彼女が隣にいてくれるのなら

俺は前に進んでいけると思う。

赤い騎士へ  衛宮士郎より。










終わり。

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今まで読んでくれた方、ありがとうございました。
誤字脱字、読みづらい表現等、たくさんあったと自負しております。
SS素人の癖に情熱に突き動かされて長編を書いてしまいました。
この経験を生かして次回作の教訓にしたいです。

前半ってもう流れちゃったんですかね?
再度読みたい、途中からしか読めなかったと言うメールが一通でも来れば
その勢いでHPを立ち上げます、マジで。

次こそ堂々とセイバーがヒロイン!と言えるSSを書きたいですね。


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