fate もし15 (傾 バトル 


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1: 久遠 (2004/03/14 01:35:22)

  
 注意1:今回修羅場はありません。

 注意2:士郎君がえらい強く感じます。

 注意3:電波で出来たこのSSは原作とは違った設定になってたりします。

 
  以上の注意点に気をつけ読んでもよいと思った方は下へどうぞ。






















 ソレはおそらく最強のサーヴァントであろう。


 最高の知名度に加え、自身の能力も最高クラスである。


 宝具にしてもいくつもの強力なものを持つ。 


 今回ソレは狂戦士として召喚されている。

 
 故にその恐ろしいまでの技量や特技に翳りが見られるが、


 それを補って余りある狂化による能力の向上がある。


 しかも生前暴走することに悩まされたためか狂化をしてなお、


 その揺ぎ無き意思と戦士としての力を持っているのだ。


 そして今回ソレのマスターはイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。


 最高の魔力量と特殊で強力な令呪を持ってソレを従えるもの。


 英雄ヘラクレス、クラスはバーサーカー。


 もう一度言おう、


 ソレは今回召喚された中で最強の存在である。

 
 もっとも、


 ソレに今は戦いの場は無く、


 ぽつねんと衛宮家の庭で彫像をしているだけの存在であるのだが。


 





 あっちょっと涙が出てきたよ。












       fate/stay night もし15

 

 つつがなく学校は終わる。


 オレの弁当争奪戦や遠坂と桜の姉妹戦争などは些細なことだ。

 一成と慎二が巻き込まれていたが、ここは友として暖かく見守ることにする。


 そういえば葛木先生の婚約者がサーヴァントのキャスターだと知った。

 写真を見せてもらったのだが、

 そこには幸せそうにエプロン姿で料理をするエルフ耳の女の人が写っていた。


 オレにもこんな幸せな生活がいつか出来るのだろうか?

 ちょっと葛木先生に嫉妬したのは内緒のことである。




 そして、

 夜、セイバーを伴って学校へ向かう。

 あの影の存在が気になったからだ。

 また学校にいるとは限らないが見回ることは無駄ではないだろう。

 
 このことは他の皆には言っていない。

 
 あれは大人数でなんとかなる類のものではないとオレの中の何かが言っているからだ。

 



 ――学校には影と対峙する青いのとバゼットがいた。


 「……!」


 セイバーが緊張した面持ちで息を呑む。

 おそらくオレも似たような表情をしているだろう。


 影はあの夜よりも数段早い動きで青いのに迫る。


 青いのは前進しつつ神速の突きを繰り出し、

 同時にバゼットの魔術が影に襲い掛かる、が。


 「くそっ!

  どうするバゼット、こいつはちょいとオレの手に負えん!」

 
 青いのは心底悔しげに言う。

 おそらく過去においてここまで自分が役に立たなかった事が無かったのだろう。


 影は槍に突かれたというのに全く無傷で青いのに再び迫る。

 魔術によるダメージもおそらく皆無だ。

 青いのは影の一撃をなんなくかわしてバゼットの位置まで一旦下がる。


 以前影はオレの剣を喰った、

 しかし宝具、ノウブル・ファンタズムと言われる人の幻想の極致。

 それを喰うことは世界の修正力にひっかかるため不可能であるようだ。


 青いのは強い、おそらくランサーの中では最強に近い。


 ただ決定的に影との相性が悪いのだ。


 「シロウ、アレが何なのかは解りませんが、

  ここはランサーと共闘すべきです」


 セイバーもその卓越した直感で気づいているのだろう。


 どうする?

 さすがにA判定以上の宝具による攻撃なら倒せるはずだが、

 このままでは学校がえらいことになりかねない。


 ……ならオレに許された方法は一つだけ。



 「I am the bone of my sword」


 「シロウ、一体何を……?」

 戸惑うセイバーの問いに答えている余裕はない。


 「Steel is my body,and fire is my blood」


 「シロウ・エミヤ……?

  何故君がここにいる?」 

 バゼットがこちらに気づき憮然とした面持ちで聞いてくる。
 

 「I habe created over a thousand blades」


 影もこちらに気づいた、

 しかしオレの雰囲気に疑問を持ったかのように様子を伺っている。


 「Unknown to Death

  Nor known to Life」

 
 「……バゼット、あいつ一体なんの詠唱してんだ?

  ここまでの長さで世界になんの影響もでないなんてありえないだろ?」


 「さあな、私も全ての魔術を熟知している訳ではないのでな。

  ただ……おそらく封印指定クラスのことをする気だろう」


 二人はオレと影から間合いを離し雑談していやがります。


 「Have withstood pain to create many weapons」


 「なんだよ、やっぱりなんか知ってんじゃないか」


 「聞いたことがあるだけだ、"剣"は領域の支配者だと」


 おい! オレの集中が乱れるじゃないか、

 家に帰って話してろよ!
 

 「Yet,those hands will never hold anything」


 影が突然迫ってくる、が。

 遅い――、
 

 「So as I pray,unlimited blade works」

 
 ――その瞬間校庭はオレの世界へと変わる。


 ゴオオオオーーーーー!!!


 炎が走り、風景が描き換えられていく。

 
 「これは……固有結界!?

  やはり封印指定クラスの魔術師だったか!」


 バゼットは驚愕を顕にし、

 
 「おっ! アレってオレのゲイボルクじゃないか!

  あっちのはグングニル! 向こうのはロンギヌスかよ!?」

 
 青いのはメチャクチャはしゃいでいます。


 「シロウ、これは一体……?」


 「固有結界"無限の剣製"、

  オレに許された魔術の一つだよ」


 影を十七本の宝具で地面に縫いつけながらセイバーに答える。


 「……もしや此処にあるのは、

  シロウの投影したものですか?」


 「そうでもあるし、そうでもないとも言える。

  オレはこの無限に剣を内包する世界を創っているだけだよ」


 セイバーの傍らに突き刺さった彼女の剣を抜きながら答える。


 「シロウ……まさかその剣は!?」


 セイバーに笑いかけながら聖剣を振りかぶり、

 
 「約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!!」


 真名を叫びながら今だ縫い付けられている影に振り下ろす。



 

 「まさか固有結界まで使えるとはな、

  これならあの時瞬時に私たちを剣で包囲したのも頷ける」


 いや〜しょうがなかったとは言えオレの切り札を見せちゃいましたよ、

 しかもあの口調と綺麗な顔で聞かれて洗いざらい答えちまったよ!

 親父ー! やっぱり綺麗な薔薇には棘ばかりだったよ!

 ……どうしよう?

 たしか彼女は封印指定の魔術師を専門に捕縛する仕事をしてたような。

 って何オレの秘蔵の魔剣コレクションを担いでいるかなこの人。


 「そうだな、もっともあの詠唱が無ければ発動しないって言うのなら、

  俺には効果的じゃないぜ?」


 青いのそんなことはどうでも良いから背中にしょった槍一式返せよ。


 「そうケチケチすんなって俺とお前の仲だろ?

  どうせまた投影するなり剣製するなりすればいいんだし、な?」


 こいつ……オレの剣製品が魔力を送り続ければ存在し続けるって聞いてパクルきだな。

 
 「それで……セイバー。

  お前もその手に抱えた剣の束はなんなんだ?」


 「こ、これはですねシロウ……担い手のいない剣がどうしても私に使って欲しいと

  訴えかけてきたんです!

  そうです、あの丘のことを私にさえ黙っていたシロウが悪いんです!

  お腹すきました!!」


 いや逆切れされても困るんだけどね、

 しかも最後のチョト違うし。
 
 はー、もうどうにでも好きにしてくれ。

 
 青いのとバゼットは嬉しそうに帰っていく。

 その背には無数の槍やら剣やらをしょって、

 銃刀法違反で捕まれお前ら……。


 「さー、シロウ私たちも帰りましょう。

  お腹もすきましたし、この剣達の使い心地を試したい」


 「はいはい、おおせのままに」


 そう言い学校を後にする。

 
 

 
  



 ……しかし今回はちょっと疲れたな。

 魔力もすっからかんだし。
 
 久しぶりにシリアスをやると肩がこる。




 続く・・・のか?





 あとがき

 どうも久遠です。

 以前登場した黒いのがあっさりと消えていきました。

 ……すみませんただランサーを出したかっただけです。

 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。


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