セイバーさん、騎乗する  (M:セイバー (傾 ほのぼのギャグ? 


メッセージ一覧

1: タイロ (2004/03/13 04:14:24)

これは私が産まれて初めて書いたSSです
一応凛ルートGOOD後を想定しております
キャラクターの性格をかなり曲解しておりますので
原作のイメージを大切になさりたい方は、お読みにならないで下さい
何分初SSで読みにくい点、至らない点が多いとは思いますが、それでも
よろしいという心優しい人はどうぞ↓








「いただきま〜す」
「いただきます」
「ハイ、たんとめしあがれ」
 どんぶりにペタペタと飯を山盛りに盛りながら、今日もおさんどん少年士郎は家事にいそしんでいる。
 最近はお茶碗ではもどかしいのか、セイバーはどんぶりにご飯をつぐようにしている、まるで某オバQのようだと思うのだが、道場での稽古の名を借りた報復をされるので言わない。
 いや、言えない。
 セイバーは普段さすがは元貴族らしく礼儀作法は完璧。
掃除も洗濯もかいがいしくこなし、ご近所の評判も上々なのだが
「セイバーちゃんみたいなコがお嫁に来て欲しいわぁ〜」(近所のおばさん談)こと食事に関する事となると、その態度は非常にシビアである。
 食事中はあまり歓談する事もなく、バーサーカーに対した時もかくやという程真剣に食材にあい対する。
 最近は三杯目のおかわりもソッとどころか、元王者の風格を漂わせつつ堂々と突き出すのである(士郎に)。
 最近家計が苦しいのでチョットは遠慮してほしい所なのだが、その無言の圧力に押され素直にどんぶりにご飯を山盛りにしていく
(大喰いはセイバーの萌えポイントの一つなんだから・・ブツブツ)無理やり自分を納得させながら・・
 自分はセイバーに弱い、いや衛宮家に襲来する女性全般に弱い、弁当をたかりにくるクラスの女子にも弱い気がする。
魔術のその究極の目標が自身への起源へと至る道であるならば、ひょっとして自分の期限は「 女 性 の イ ヌ 」なのではなかろうかと密かに苦悩する衛宮家現家主の今日この頃である。



 進級を目前に控え、学期も押し詰まってきて半ドン授業が多くなってきた。
 家で飼っている某トラは学校で残務処理に追われており、桜は部活で、こうして久しぶりに3人で昼間から食事を取っている。

 寒い冬が終わり、開け放した戸からは微かな春の気配がする。
 暖かな陽気が二人の美しい少女を照らし、食器を鳴らすかすかな音だけが居間に響いている。
 その柔らで安らかな雰囲気は擬似的とはいえまぎれもなく家族の空間だ。
 こうしているとあの生死をかけて、命を硬く結び合って駆け抜けた聖杯戦争の日々が嘘の様で、こんな幸せが続けばいいと――――
 
「ム、士郎」「はぃぃ!?」
 途端に引き締まる空気(士郎主観)
味噌汁にズッと口をつけた金髪の少女がピキーンという効果音と共に目を光らせ、静かな、かつ厳しい目線を送ってきた。
「味噌汁の質が微妙に落ちているようですが・・」
「い・・いや、それは今月ちょっと厳しくて、いつものより安い味噌に・・」
「あ〜ら衛宮君、サイドメニューの質を落とすなんて料理人の誇りが低いんじゃなくって?」
 ンケケケと唇の端を持ち上げ笑うあかいあくま、最近笑い方がリアル悪魔じみてきた気がする。
 自分は料理人ではなく魔術師のはずなのだが・・
「で・・でもそれくらい・・」
「それくらい?↑」(語尾上げ)
 歴戦の王者の闘気が膨らむ。
 なにも味噌汁一つでという疑問はあたまから吹っ飛び、まるでライオンに睨まれた様に背中はあせびっしょりになる。
 ぁぁ王様ごめんなさい、この哀れでグズな愚民をおゆるしください・・
「まぁ、この主菜の野菜のベーコン巻きは大変おいしく出来ています、以後気をつけてくださいね」
 思わず勢い余って這いつくばって足にすがろうとした寸前、王様は寛大にも許して下すった。
「まったく士郎は最近たるんでるんじゃないの?最近帰りが遅くて魔術の授業も進まないし」
「ム、それはいけませんね、男子は外に出れば七人の敵がいるといいます。
留学もひかえているのですし、語学の方も進めなければ」
 たるんでるもなにも、今月の家計が厳しいのは先週のデートの際に(当然映画代お昼代は士郎持ち) 宝飾店で見つけたガーネットの首飾りを見初めた遠坂がトランペットを見つめる黒人少年状態になってしまい。
こちらの服の裾をつかみながら、破壊力A+に匹敵するあの上目遣いでじっと見つめてきたからなのだが・・
 もちろんアメ車かマツダロータリー並の燃費を誇る少女の食費にも恒常的に家計は圧迫され続けている。
 よってバイトも残業をよぎなくされているわけであるが・・

「わかった(りましたか)?!士郎」
「は・・アハハハ・・・ハイ」

士郎少年の日々は幸せ―――なのかもしれない


『セイバーさん、騎乗する』
        (作 タイロ


「さて、昼ドラの続きを見なくては」
 食事の後、ビデオをセットしつつTVをつけるセイバーさん。
 連続ドラマ『真昼の情事、マダム達の秘密―爛れた関係―』はセイバーが、かかさずチェックしているコンテンツである。
 家主としては見る番組にちょっと注意の一つもくれたい所なのだが、報復が怖いのでやはり何もいえない。
 使い魔のマスターたる人に、すっかり俗世に染まり始めた元王様に教育的指導をお願いしたいものであるが
「先週はお目当てのホストのタクヤをとりあって、アケミがミキを刺しちゃった所までだったわよねー」
・・・一緒になって見てるし・・ 
「ム?」
 しかしTVは高らかなファンファーレと共に、たくさんの観客の怒声とお馬さんを映し出していた。
「あら、今日は競馬中継でお休みかー。
ギャンブルなんてやる人の気持ちなんてわかんないわね、馬券買うなんて1000円で700円の券を買うのも同じなのに」
「競馬か・・そういえばオヤジが好きだったな」
 士郎の育ての親はパチンコも好きで、よく思い浮かぶ思い出の光景はタバコを吹かしつつ寝転がってビールを飲みながら野球観戦している姿である。
 若作りではあったが、中身は立派な中年オヤジだった。
「あら?随分熱心に見てるわね?」
 デザートに出したタイヤキに目もくれず、競馬中継を食い入るように見つめるセイバー。
明日は雨かもしれない、洗濯物を早めに干さなくては。
「・・ええ、皆ほれぼれする程美しい馬体をしています、それに速い」
「馬、好きなの?なんたってセイバーは騎士王だものね」
 騎士とは名誉的な意味と共に、文字通り騎乗してたたかう戦士の意味も含んでいる。 
 騎士の頂点であったアーサー王であるセイバーが、馬に興味を示すのは当然なのかもしれない。
「セイバーは昔、やっぱりよく馬に乗って戦ってたんだよな?」
「ハイ、こちらに来てから図書館で歴史の本などを興味深く読ませていただきましたが、大モンゴル帝国よりも早く騎兵による集団戦法を用いていたという自負があります」
 えっへんと胸を張るセイバー、さすがは5世紀後半頃実在したとされ、大ブリテンを治めたとされる伝説の王。
 もふもふとタイヤキを頬ばりながらでは、ちょっと信じられなくなりそうではあるけど・・   
「騎兵は防御力が皆無に等しい兵科ではありますが、歩兵の何倍もの機動力があって、サクソン人の侵略を防げたのもやはり騎馬とそれを操る騎士の力が大きかった・・」
「へぇアーサー王が乗ってたんだから、今の時代になんかにもいない凄い名馬に乗ってたんだろうな」
「いえ・・いまテレビで映っているような美しい馬は、競技用に何世紀にもわたって品種改良されていて、私の時代の馬はもっと無骨な生き物でしたが・・」
 ふっと美しい目を伏せて、遠い記憶を探るセイバー。
「しかし、主人と禽獣というよりは、まさに戦友のような関係でした・・
いくつもの戦場を共に駆け抜け、どんな巨大な幻想種に対しても恐れず、果 
 敢に私と共に立ち向かってくれた」
「セイバー・・」 
 ―――いくつもの戦場を駆け抜け、結果裏切られたとしても、あくまで誇り高くどんな困難にも立ち向かった騎士王。その胸に去来するのは如何なるモノなのであろうか―――
 話に入りすぎたのか、俺の分のタイヤキまで食べ始めたのは無意識なのか確信犯なのか判断に苦しむ所ではあるのだけれど・・・・

「決めました、士郎、お願いしたい事があるのですが」
「何を?セイバー」
 小さなからだで戦い続け、ようやくひと時の安らぎを得た少女、大抵の事はかなえてやりたいと思う。

「私、馬を飼いたいのですが」
「「ええええええええええええええええええええ?!!」」

途端にしんみりとした雰囲気の居間は混乱した。

「セ・・セイバー、どうも話の流れから嫌な予感はしてたんだけど、まだこの国の常識を理解してないようね?」
「む、馬鹿にしないで頂きたいマスター
 英霊はあらゆる時代に適応する、掃除機かけなど、あっちこっちを壊す凛より私のほうが上手いではありませんか」
「落ち着けセイバー!常識で考えて街中で馬なんか乗り回したら捕まるんじゃないか?」
「士郎こそ法律を理解していない、馬は軽車両扱いになるのでドライブスルーにも入れるとト●ビアの本にも書いてありました」
「世話とかどうするのよっ!」
「私が責任を持って面倒を見ます」
「犬や猫じゃないんだから・・」
衛宮家の午後は、夕食で中断するまで王様の説得にあてられた。


(現在の日本では決められた場所以外で、馬に乗ることは非常識でしたか・・)
 さんざん二人に説得された翌日、大河の家に借りているマンガを返しに行く道すがら、セイバーは考える。
 法律上、手続きさえ踏めばできないことではないのだが、やはり酷く目立つ行為なのだろう。
 買い物をする時などの近所の奥様方とのお付き合いの井戸端会議の中で、最近の士郎の評判はかんばしくない。
 曰く、同級生の美少女引っぱりこんで愛欲の日々を送っているとかなんとか
(「昔も今も素直でいい子なんだけど・・やはり血は争えないというか」
「切嗣さんも色男で周りに女性が絶えなかったわねぇ」
「セイバーちゃんも気をつけなさいよ、だからウチにお嫁に・・以下略)
 やはりこれ以上悪評を増やすような行為は避けるべきであろう。
 あれからさまざまな事があり、桜が凛との姉妹である事が公表されると、最近学校ではエロ学派とあだ名されていた士郎に姉妹丼野郎なるあらたな二つ名が加わったらしい。
 ところで姉妹丼とは何だろう? まだ見ぬ食していない美味な丼モノではあるまいか?
 今度士郎にねだってみる事にしよう。


「おや?セイバーさん、来ておったのかね」
「あ、雷画。お邪魔させていただいます」
 藤村組の若衆に応接室に通され、茶菓子をパクついていると棟梁である藤村雷画が顔を見せた。
 雷画とは大河を通じて親しくさせてもらっている。
初対面の折、その常人離れした魁偉な容貌と伝説の博徒であるという闘気に反応してしまい、とっさに武装して切りかかろうとしたのを士郎にあわてて取り押さえられたのは秘密であるが。
「大河に借りたものを返しに来ただけですので、すぐに失礼させていただきます。」
「いやいや、ゆっくりしていきなさい。今日は公共工事の金を懐に入れようとした木っ端役人と紳士的な話をしただけじゃから」
グフォフォと獣のような笑い声を発して、ナニやら拳についた赤いモノを拭いがら、小山のような体躯をぎしりとソファに沈める老博徒。
(むぅ・・こうして向かい合っているだけでこの威圧感、やはりタダモノではない・・)
さすがは最後の大任侠と呼ばれ、一代で藤村組を興したとかベンガル虎を素手で屠ったとか背中にオーガが住んでいると言われるだけの事はある。
何か大河に借りたマンガが混じってる気がするが・・
同時代に産まれていれば、この大器量で国の一つ二つ治めていたであろう。
「どうかね、日本にはもう慣れたかね?慣れない土地で何か不自由していることは?」
「ハイ、士郎の料理は美味しいし、凛や桜や大河、藤村組の皆様にも大変良くしていただいています。しかし・・」


「なるほど、馬なぁ・・セイバーさんは英国出身じゃったか?故郷じゃ良く乗ってたかもしらんが、狭い日本じゃ難いじゃろうて」
「はい。士郎は優しいので今度馬事公園にでも連れて行ってくれると言っていましたが」
 晴れた日曜日に凛や大河と一緒に係員に私の時代にはいなかった、立派な体格の馬に乗せてもらったり、ポニーと遊んだり芝生の上で士郎に作ってもらったお弁当を四人で食べるのは大変楽しい事だろう。
 しかし・・・・・
「何か・・上手く言えないのですが、違う気がするのです。
私がしたいのは愛馬と・・そぅ、自由に風を感じて駆け回りたいというか・・」
「そうか、なんとなく言いたい事はわかる気がするのう―――
出来るかもしらんぞ?」
「え?」
 大河はその熊のような顔からは信じられない人懐こい笑顔を見せた。
「馬は馬でも鉄の馬じゃがな」
 老博徒は、バナナの房のような親指をグッと立てて告げてきた。


バリバリバリバリバリバリバリバリバリィ!!
冬木の町に響く爆音。
大型バイクに革ジャンとゴーグルを装着した大柄な老人と、小柄な少女の二人乗りという奇妙な組み合わせに、すれ違う車の運転手は何事かと振り返って行く。
「―――ッ!!―――――?!!」
「音で話が聞こえにくいじゃろう、こうしてメットをくっ付けて話すといい。
振動で会話が聞こえるじゃろう?」
「――っっ凄い音ですね、雷画!」
「クックック・・器用な衛宮の小僧に特別にチューンさせた(ハーレー)ディビットソンじゃ、速いじゃろう?」
「ええ、それに凄い風です。・・・正直、少し怖い」
 周りの景色が飛ぶように流れて行く、馬に騎乗するのとはやはり感覚がかなり違う。
しかし―――
「なんだか、ドキドキします」
「フフ・・次がこの町で一番見晴らしのいい場所じゃ」
 車体を大きく傾けながら峠道を曲がると、途端に視界が開けた。
 潮風が頬をなでる、潮の匂いがする。水平線まで見渡せる海は落ちかかる太陽に赤く輝いていた。
 目を閉じる、そういえば水平線なぞしばらく見ていなかった。
 思い出すのは、戦いの合間に戯れに愛馬とかけたあの草原の夕焼け、たしかに今、あの懐かしいブリテンの風を感じた気がした。 


 「どうじゃったかな?セイバーさん。バイクに乗るのは、初めてと言っておったから、気に入るどうか心配じゃったが」 
 ガレージに戻ってきて、ヘルメットを脱ぎながら尋ねる老人。
 笑っている所を見るとこちらの表情を見れば返事は聞くまでも無いのだろう。
「ハイ!大変爽快でした」
「そうかそうか、大河も昔遅刻しそうな時はコレで送ってってやったもんじゃがのぅ・・」
いとおしそうにバイクを点検する雷画。
ああ・・生き物ではない機械でも、私と同じようにこの人はこの鉄の愛馬を愛しているのだなと嬉しくなる。
「丘の上の教会の神父はいけすかんヤツじゃったが、数少ないバイク仲間でな。いつのまにかどこぞにおらんようになってしもうて、新任のはイタリア人でパッソルなんぞに乗っておる」
 ふっとため息をついた雷画は告げてきた。
「どうかな?セイバーさん。気に入ったのならコイツをもらってやってくれんか?腰を悪うしてから医者に止められてあまり乗ってやれん。
コイツも若い女性に乗ってもらえれば幸せじゃろうて」
「本当ですか?!あ、・・しかし」
ソッと黒光りする車体に手を触れる。
「そんな高価なものはいただけません。それに、このコは本当に雷画に愛されているのを感じる・・主人以外に乗られるのは不本意でしょう・・」
「むぅ・・そうか、コイツはわしが乗れんようになっても最後までワシが面倒を見るべきなのかのぅ・・。
オ?そういえば主人のおらんかわいそうなヤツが一台おったな」
ガレージの隅の汚れたシートがはがされると、時代を感じさせる褪せた黄色のバイクが現れた。
「これは・・」
「500SSマッハ掘古いカワサキじゃよ」
それは低く構えた肉食獣を思わせる、怖さを感じさせるバイクだった。
「「曲がらない」「止まらない」100kmをこえた辺りからはフロントが浮いて「直進する事もかなわない」世界最速を求めた結果『カミナリマッパ』の異名で恐れられた怪物じゃよ」
「カミナリ・・雷画の名と同じ意味ですね?」
「うむ、大河の父親の愛車も趣味を同じくしておっての。
その愛車じゃったが、コーナーをまがりそこなって放り出されて対向車に轢かれてな」
「・・死んだのですか?」
そういえば大河の父親にはまだあってはいない。
「いや?ピンピンしておるが。しかしワシの娘にえらい怒られて乗るの止めてしもうたんじゃ」
――大河の頑丈さは遺伝なのかもしれない、それはともかく。
「どうじゃ?なんとなく捨てるのはしのびなくてほったらかしにしてるんじゃが、衛宮の子倅なら直せるじゃろうて。
・・やはりこんな危なくて古い単車は嫌かね?」
「いえ・・」
 じっとその古ぼけた車体を見つめる。
「この子の声が聞こえます、『俺はまだ走れる、俺を走らせてくれ』と
それに・・」
 あの、ブリテンの地を愛馬と駆けた高揚感がよみがえり、身震いがする。
「私は暴れ馬を御するのが得意でした。そういう馬ほどよくはしったものです」
 私は再び愛馬を手に入れた。
「クックック・・気に入るじゃろうと思ったわい。長く生きているとわかる、セイバーさんはワシらと同じ修羅の匂いがする人じゃ」
「ええ・・楽しみです・・フフフ・・ウフフフフフフ」

 その日、門を掃除していた若衆はガレージから漏れてくる不気味な笑い声に
ヒイた。


「士郎、ただいま戻りました」
「あ、お帰りセイバー、すぐご飯の支度するから」
 いつもはすぐさま居間に直行して早く早くとせかすのに、セイバーはなにやら顔を赤らめてもじもじしている。
「あの・・実は士郎に癒して欲しい子がいるのですが・・」
「え?そうなんだ、早く連れてこいよ。また布団にかくまわれちゃかなわない」
「もう!からかわないで下さい!」
 怒りながら、しかし嬉しそうに門の陰に戻るセイバー。
 以前セイバーは公園で怪我をした仔猫を布団にかくまっていた事があった。
 『あの』セイバーが食事を残して、なにやら部屋に持ち帰ろうとするので発覚した。
 その事でずいぶんと遠坂とセイバーをからかったりしたものだ。
 真っ赤になるセイバーが可愛くて、からかいすぎてしばらく口を利いてくれなくなったけど。
 元気になった仔猫は、愛猫が亡くなったばかりの近所の家に乞われて引き取られていったが、セイバーは本当に動物が好きな心優しい素直でかわいらしい少女だと思う。
 ――食事に関して以外は――
(今度のは子犬だろうか?小鳥かな?留学が控えているけど、ウチでしばらく飼って、連れて行けないようならああ見えて動物好きな藤ねぇにあずかってもらって、ってうわぁぁぁぁぁぁぁ?!!)

 セイバーが嬉しそうに引き出してきた、小柄な身体似合わぬなにやら凶悪な物体は、仔猫だと思ってたらライオンが出てきたくらいのインパクトであった。
 
「セ・・セイバー?それ藤ねぇの家にあった・・」
「ハイ、私の新しい愛馬です。色がタンポポに似ているのでダンデライオンと名付けました。」
 すでに愛称まで命名済みですか。
「ダメッ!女の子がバイクなんて危ないからダメッ!」
「士郎?私を誰だと思っているのです?」
 にっこり微笑むセイバー。
 ――最強のサーヴァントにして元アーサー王閣下でした・・。
 ついでに言うとスキル騎乗B。
「あのね、セイバー・・バイク乗るのは二輪免許が必要で、それ500ccだから大型二輪免許までいるし」
 そういえば、カミナリマッパで人が死にすぎて中型免許が出来たって聞いたなぁ・・
「ご心配なく、雷画に『いろいろと』役所関係の知り合いがいますので、問題ないといっておりました」
 雷画爺さん・・・・・
「ほ・・ほら、なにもそんな古くて凶悪な単車に乗らなくても・・部品無くて大変だし、!そうだ!スクーターとかもあるぞもあるぞ!べスパなんかかわいくてセイバーに似合うと思うなーハハハハハ・・ハ」
 にっこり笑ったままフルアーマーセイバーになって、肩に手を置いてくるセイバーさん。
 なにやら物凄い力で握られて肩がミシミシいってるが、気のせいだ、うん気のせいに違いない。
「士郎、王にはふさわしい愛馬というものがあります」
「王様っ!お考え直しをっ!」

 とりあえず這いつくばって足にすがってみた。


 その後、教室で後藤くんからカミナリマッパを駆って冬木峠を攻める金髪の少女が話題になっていて。
 近県からも見物人が出るほどの人気で、こんどファンクラブも出来るらしいとの噂を聞いて、背中を汗びっしょりにしている士郎少年の姿があった。

                                Fin










(あとがき
 ここまで読んでいただいた心優しい方、本当に感謝いたします
 何分ド素人が勢いだけで書いたものなので、読みにくかった点、至らなかった
部分がさぞおおかったと思います
 どなたの作品かは忘れましたが、セイバーがライダーを追っかけるのに士郎とバ
イクで疾走する作品があって、それに感化されふと思いついた話です
 作品中で出てくる500SSという単車は向かいの家の兄ちゃんが昔乗っていて憧れた
ものです、・・かくいう私は4輪の免許のお金を貯めててまだ中免なのですが・・
 もし「ここが悪かった」「ここを直したほうがいい」等の感想がいただければ感動
です 
 充分反省した上で、次回(があれば)に生かしたいと思います
 
タイロ
 


記事一覧へ戻る(I)