それは有り得たかもしれない物語 そのに (傾 ほのぼの?


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1: 久遠 (2004/03/12 18:38:33)

  
 注意1:この作品の弓さんはアーチャーではないです。

 注意2:これはfateもしとは一切関わりがありません。

 注意3:これは電波による二次被害作品です。

     fateもしを書いていて本編で使用不可な電波がきたため別の作品として誕生しました。


 以上を踏まえた上で読んでやってもよいという奇特なかたは下へどうぞです。





    











 



 

        それは有り得たかもしれない物語 そのに







 side by 凛

 
 目が覚めると身体がとてもだるかった。

 思考が定まらない……まー何時ものことと気にしない。

 窓の外を見るとお日様はとっくに昇っていた。

 うん、今日は学校をサボろう。


 あれ? えーと。

 昨日なんかとてつもなく信じられないことがあったような、なかったような。

 まだ寝ぼけているのかはっきりとしない。

 とりあえず居間に行って紅茶を飲んで考えよう。



 扉を開けると何時も通りの居間が見える……?

 私の中の何かがおかしいと言っている。

 昨日この居間は……あ! 思い出した!


 「おはよう、お嬢様。

  随分ゆっくりと休むことが出来たようだな」


 セイバーを呼び出すつもりがコレを呼び出してしまったのだ。

 
 「はー、まさか十年越しの聖杯戦争が始まる前にこんな大ポカで終わるなんて」


 溜息と共に幸せや何かがどっかいにいってしまうようだ。

 すると静かに佇んでいた彼が


 「そんなことはないぞお嬢様、

  私は執事とはいえ君が召喚したサーヴァントだ

  それが最強でない筈がない」

  
 な――――――

 その言葉に絶句する。

 私が彼を否定していると言うのに

 彼は私以上に私を認めているのだ。

 顔が真っ赤になるのが解る。

 
 私はこの瞬間彼を自身のサーヴァントと認めたのだ。

 そう、やる前から諦めるなんて私らしくない。

 こうなったらこいつと一緒に聖杯戦争を勝ち抜いてやるわ。
 

 「意気込んでいるところに悪いが、

  私と君の契約がまだ終わっていなのだが?」


 へっ? 契約? 

 何かしら? 

 魔力の流れは感じるしこいつは……あっ忘れてた。


 「その顔はどうやら思い至ったようだな」

 
 やれやれといった仕草をする……これで本当に執事なのだろうか?


 「ええ、私は遠坂凛よ、好きに呼んでいいわ。

  これからよろしくねバトラー」


 彼の言動に対して多少の皮肉も込めて初めて"バトラー"と呼ぶ。


 「それでは凛と呼ばせてもらおう。

  ああ、この響きは君に相応しいな」

 
 うわ、こいつ絶対女たらしだ。

 う〜私絶対赤くなってる。

 なんか悔しい



 あれ?


 「ねえ? そう言えばあんたの真名はなんていうの?

  ついでに宝具も教えて欲しいんだけど」


 私はマスターの当然の権利としてそう聞いた


 するとこいつは……




 side by エミヤ


 「ねえ? そう言えばあんたの真名はなんていうの?

  ついでに宝具も教えて欲しいんだけど」


 むむ、ついにこの質問が来てしまった。


 オレの名前は言える訳がない。

 ここに遠坂がいるのだからかつての自分もいるだろう。

 宝具も同様だ、オレは生前伝説に残るようなシンボルを持っていなかった。

 なのでオレ専用の宝具なんて持っていない。

 唯一許されるのが執事の仕事の傍ら磨き上げた衛宮士郎の魔術のみ。
 
 "固有結界" 禁忌とされるそれにオレは到達した。

 おそらくアーチャーも使えたのだろう。

 だとすれば万全でないというのにバーサーカーを6回も殺せたのも頷ける。


 それと同時にあの時のセイバーと遠坂を思い出してしまい赤面しそうになる。

 だがしかし、執事としては常にポーカーフェイスを絶やしてはならない。

 なんとか赤面する一歩手前で踏みとどまることができた。


 ん? まずい、

遠坂が答えないオレに不振そうな目を向けてる。

 さてどう言おうかな

 
 「それは言うことが出来ない、なぜなら――」

 
 「なに? 下らない事だったらガンドの的にするわよ」


 ――下手なことは答えられなくなった。


 「真名だが、これはバトラーのクラスのため言うことが出来ない」

 
 「……どう言う事かしら?」

 
 あっ不機嫌になったよ、このままではアカイアクマモードになってしまう。


 「実はバトラーのクラスは真名をマスターにさえ隠すことによって

  能力の向上をしているのでね。

  私のランクが下がっても良いと言うなら教えないこともないが、どうする?」


 よしきた!

 この説明でどうだ、これ以上の理由はオレには考えることは不可能だぞ。

 
 「そういうことならしょうがないわね、

  無理を言って弱くなられるぐらいなら真名ぐらい知らなくても良いもの。

  それじゃあ宝具ならどうなの? 

  まさかこれも言えないなんて言わないわよね?」


 くっ、遠坂が拒否を許さない時や怒った時の微笑みがオレを襲う。

 だがここで屈するわけにはいかない。

 
 「何を言っている宝具も同様だ。

  宝具しだいでは見ただけで何処の英霊か看破されてしまうからな。

  戦闘になったならその限りではないが。

  もっとも私の場合は異なるが。」 

 
 遠坂も気づいたようだ、これはセイバーがいい例だろう。

 エクスカリバーなんて持ってたら一発で真名がばれるからな。


 「それもそうね、聖杯戦争のマスターとして失言だったわ。

  でもどういうこと?
 
  あなたは異なるって」
  

 「君は執事が宝具になるような物を生前持ってたと思うか?

  答えはNOだ。

  私が用いることが出来るのは死後仕えて来た主人に頂戴したものだけだ」


 「宝具がないですってー!?」

 
 吼えるアカイアクマ。


 「そんなのでどう勝とうって言うのよ。

  だいたいあんたが仕えた主人に貰った物って何があるわけ?

  英霊の宝具に対抗できるようなものなんでしょうね」

 
 オレの仕えた主人……おお! 
 
 ほとんどの人達が遠坂と戦えるじゃないか。

 まーそれはさておき、

 よし、ついに遠坂を吃驚させることができるぞ。


 「たとえばこれだ」

 
 そう言い、干将莫耶を投影する。

 アーチャーが使っていた夫婦剣でありオレも愛用している。


 「これは過去に召喚された際に頂戴したものだ。

  どうだ? 

  他にもあるがこれなら他のサーヴァントにも遅れを取らないと思うが?」
 

 遠坂は唖然としている。

 干将莫耶はランクは高くないが宝具である。

 オレが宝具を持ってないと思っていた遠坂には不意打ちだっただろう。

 オレはしてやったりと内心思いながら彼女を見つめ――、

 
 「……この……嘘吐きがー!!!」


 ゴスッ!!!


 「ガハッ!!!」


 腰の入った正拳突きがオレの鳩尾を貫く。

 効いた、今のは油断もあって物凄く効いた。

いわゆる

 "世界を狙える右"+"第二魔法にすら到達する遠坂の魔力"

 ="絶対破壊の一撃"という式だ。


 「り、凛。

  何も魔力をこれほど込めなくてもいいと思うのだが、

  それに私は嘘をついていない、

  私は私のシンボルとなる宝具がないと言ったのだからな」


 荒い息遣いの遠坂にそう言う。

 
 「む、口の減らないサーヴァントね。

  そういえばさっきも疑問に思ったんだけど、あんた本当に執事なの?

  その言葉使いで他の主人にも仕えてたわけ?」


 ぬ?

 今までの人達には執事らしくなくて良いと評判だったのだが。


 「凛お嬢様が敬語の方が好みだというのならそのようにしますが、

  どうしますか?」


 あ、両手で身体を抱きしめてる、寒いのか?


 「今まで通りでお願いするわ。

  あんたに敬語でしゃべられるとなんか寒くなるから」


 今回の主人はめちゃくちゃ失礼でした。




 
 ふぃん




 あとがき


 どうも久遠です。

 電波です。

 確かfateもしを書いていた筈なのだが何故これに?

 しかも変なとこで切るし、凛よりもエミヤの方が文が多いし。

 話の中では30分も経ってないぞ……この聖杯戦争は終わるのか?
 
 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。


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