明日の為に 。諭Дャスター 傾:梅サンド(ぇ


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1: はりがねいぬ (2004/03/11 17:32:43)

「行ってらっしゃいませ、宗一郎様」
「うむ、いってくる」
ガラガラガラ、ピシャンッ

「先生、おはようございます」
「おはよう」
 
ハァッ、今日も宗一郎様は一成君と”がっこう”とやらに行ってしまわれたわ。
でも……今日は、今日は、宗一郎様が帰ってくるまで一人寂しくこの身を慰めてる私じゃないのよ!!!!……あくまで、言葉の綾ですよ?
本当に”自”分を”慰”めてるわけじゃないんですよ?……ほ、本当ですってば!


  『明日の為に〜パンの間に抉りこむ様にして挟むべし〜』


というわけで、宗一郎様の許婚として、むしろ嫁として、主に嫁として相応しい女に
なるために、日々精進を続ける私は、今日さらなるステップアップを遂げます。
  そう、それは昨日、夕方のドラマ再放送で
『割烹着の悪魔は見た〜その身は梅で出来ていた〜』を見てたときのこと、
           
                回想、開始
               ・・・・・・・
「翡翠ちゃん」
「何ですか、姉さん?」
「フッフッフッ、翡翠ちゃん、お姉ちゃんは見てしまったのですよー、志貴さんと仲良く魚を捌く姿を」
「なっ、姉さん、見てたの!」
「そこで翡翠ちゃんに提案です。」「て、提案、ですか?」
「明日は志貴さんの学校の文化祭。そこへ手作りのお弁当を持って志貴さんのところに行く翡翠ちゃん。すると、」「すると?」
「『あれ、翡翠どうしたの?』『志貴様の為にお弁当を作ってきました。』『ひ、翡翠、君って奴はなんて健気なんだ。もうナイチチ妹なんて目に入らない、僕と結婚してく  れ。』そして、翡翠ちゃんを熱く抱きしめる志貴さん、突然の事に驚きながらも満面の笑みで 頷く翡翠ちゃん。あぁ、もう、翡翠ちゃん可愛すぎぃぃぃぃぃ。
その後、純白の衣装を身にまといヴァージンロードを歩く二人。可愛い妹が姉の下から 巣立っていくのは悲しいわ。でも、大丈夫翡翠ちゃん。二人の前では泣かないわ、で  も、本当は涙が出そうなの、だって女の子だもん。」
女の”子”かどうかはともかく、シクシクと泣き出す琥珀。もしかしたらウェディング ドレス姿の翡翠を想像したのかもしれない。お前は父親か。
「で、姉さん、私が作る料理とは?」 妹は淡白だった。もしかすると姉のことはどうで もいいのかもしれない。
「作る料理は、ずばりサンドイッチよ。これなら簡単だし、お姉ちゃんも手伝うから必ず美味しくできるわよ」
「琥珀が手伝うのは無理ね。」凛とした声。 そして、
「あ、秋葉様!?」 
 突如として声の聞こえたほうへ、ギギギ,,,と音を立 てそうなぎこちなさで振り返る琥珀。 関節に油を差したほうがいいかもしれない。
「琥珀、面白そうな話ね。じっくり聞きたいわ。」「え、でも、御夕食の準備が…」「偶には琥珀も休みたいでしょうから、今日は外食にしましょ。」
「あの、秋葉様?私、ぜんぜん元気ですから。お休みいらないですから。
ちょっ、秋葉様?秋葉様?ひ、翡翠ちゃん、たすけてぇーーーーーーーーー!!」
    パタン
「姉さんを、見殺しです。」   姉は見殺しにされた。
まぁ、その後、翡翠が悪戦苦闘しながら愛する人の為に創意工夫を凝らしたサンドイッチを作るのだが、そこはカットカットカットォォォ。 
               ・・・・・・・

 「コレだわっ!!!!このシチュエーション。これこそ私の求めていたものだったのよぉぉぉぉぉぉぉ。」 雄叫びを上げるキャスター。
 そう、キャスターは気付いてしまった。
 いつも和食、それも、肉野菜類の全くない料理ばかりを食べている己がマスターに必要な料理を。
洋食であり、なおかつ和のテイストも盛り込んだ至高の料理を。
               
               回想、全工程終了
 
 と、言った様なことが昨日あった経緯で、今現在キャスターは台所に立っている。
「待っていてくださいね、宗一郎様。あなたのメディアが、今、参ります。フフ、フフ フ、ウフフ、ウフフフフフフ。」
愛する人の為、今、台所に立つキャスター。そりゃ笑みだってこぼれます。
余談だが、薄暗い台所で静かに笑う神代の魔女は修行に明け暮れる仏門の徒すらも震え 上がらせたことをここに記しておく。
   ・・・
「出来たわっ!!!! いくらサーヴァント中最弱の身であろうとも、人のみを超えたこの身に不可能はないのよ。」
 
 キャスターは知らない。今回の聖杯戦争に参加した中で最も弱いであろう衛宮士郎が学校の便利屋であり料理も人並み以上に出来ることを。
有体に言うと、いや、言わなくとも”料理は身体能力で作るものではない”という事実を。

               ・・・・・・・
「クシュンッ」 
「シロウ、大丈夫ですか?」
「あ、うん。大丈夫だよ。誰かに馬鹿にされてるんじゃない?」
「体調には気を付けてください。じゃないとシロウの料理が食べれなくなる。」
「そうだな。食いしん坊の為にも体には気をつけなきゃな。」      
「シロウ、訂正してほしい。私は大食漢などではない。」 
「俺は別にセイバーだなんていってないけど?」「なっ!!」
「でも、心配してくれてありがとう。」「……い、いえ…別に…当然のことですから。」             衛宮邸は今日も概ね平和だ。
               ・・・・・・・
        
  時は流れて昼休み の教員室
「あの、すみません。宗一ろ、葛木先生はいらっしいますか?」
恐る恐る尋ねるキャスター、その鼓動は通常の三倍に速まったように感じられた。
本当は1.3倍ぐらいだろうだが。
「そろそろ、お戻りになると思いますが、待たれますか?」
「はい。待ちたいと思います。」
 そろそろと案内役の教師の後を着いてゆき、案内されたのは愛しの宗一郎様の机。
机を見入るその表情は恍惚とし、あと数分もすれば頬擦りでも始めそうな勢いだ。
 ガラガラ  教員室の戸が開き
「あ、葛木先生。女性のお客さんがお見えになってますよ。」
「わかりました。わざわざ、ありがとうございます」 
   葛木が入ってくる。
それに気付くキャスター。思考回路はショート寸前だ。
ミラクル・ロマンスかどうかはともかく、トランス一歩手前。
 「あ、あの、そ、そそそそそ、宗一郎様」「お前か。いったい、何のようだ?」
頬どころか顔まで真っ赤、その上ドモリまくりのキャスター。
それに気付いているのか、いないのか、全くいつも通りの葛木。
  、、、おそらく気付いてはいるだろう。
「あの、その、宗一郎様とお昼をご一緒したいと思いまして、お弁当を作ってきたんです が……、ご迷惑でしたね、すみませんでした。今、帰ります。」
「そうか、では頂こう。」
「そうですよね。私なんかが宗一郎様のお食事を作ろうとしたこと自体おこがまし………
 って、えぇーーーーーーーーー!!」
「どうした。何か食べられてはまずい物でも入っているのか?」
「そ、そんなことはありません。今すぐ用意します。」
 喜びに満ち溢れた表情でテキパキと用意を始めるキャスター。
 幸せって案外近くにあるものだわ、なんて思ってるのかもしれない。
「準備が出来ました。それじゃあ、開けますね。ジャーーーン。」
 有頂天のあまりキャラがぶれてしまったキャスター。
 そして、開けられた弁当は、、、「うむ、赤い。」、、、、赤かった。
「ハイ、梅サンドですから。」
  ざわ・・・ざわ・・・。瞬く間に教員室中に拡がる異様な空気。
名づけるのなら、
    『食事破戒録 メディア』 とでも言ったところ。
「それにしても、紅過ぎはしないか?」
確かに、、、どこぞの麻婆豆腐の様に地獄の釜から取り出した煮え滾る様な赤
 とまではいかなくとも、トマト以外では有り得ないレベルの赤だ。が、
「それは当たり前です。専用ですから。」
どこで仕入れたのか分からない知識を披露するキャスター。新婚生活に不安がよぎる。
しかし、教員室の面々は知っている。問題は赤さでなく、料理そのものにあるという事を。ドラマの中で梅サンドを食べた人間がその味をどう表現したかを。
「頂きます。」 葛木は食べる。
        何が彼を”ソレ”へと駆り立てるかは分からないが食べる。
 サンドイッチを食べているとは思えない、ジュルリという咀嚼音と共に。
そしてそれは、周りで見ている者にあるひとつの考えを抱かせる。
音といい、色彩といい、まるで[血が滴る生肉]を食べているようだと。
 ジュルリ、モグモグ。ジュルリ、モグモグ。
 黙々と食べる葛木。それを見つめるキャスター。そして完食。
「宗一郎様、お味のほうはどうでしたか?」
「メディアよ。いい梅を使っているな。」
 その感想は褒めいているかどうか議論の余地がある所だが。
それでも、彼としては異例なほどの笑みを浮かべる葛木。
 
 その後は会話こそ少なかったものの、これといった波乱もなく、穏やかな時間を過ごす二人。
 やがて、昼休みも終わりが近づき、帰り支度を始めるキャスター。
 「あの、宗一郎様。その、えっと、明日からもお弁当をお作りしてもいいですか?、、、その、ご迷惑でなければ。」
「あぁ、迷惑でなければ。」
「はい、喜んで。あと、学校にお届けにあがっても。」
「構わないが。」 
「それでは、私はこれで失礼します。」
「あぁ、また後で。それとメディアよ、今日はありがとう。」
「いえ、私も楽しかったですから。こちらこそ、ありがとうございます。」
 
「フフ、今日はお弁当を作ってよかった。宗一郎様に喜んでもらったし、それに、明日からもこんな事をしていいってお許しまでもらっちゃった。
やったわ、私。これで、宗一郎様の嫁へと一歩前進よ。」

 キャスターは知らない。結婚式を開いたり、婚姻届をだしたわけではないが、今の自分が世間一般でいう”嫁”と言われるであろうことを。
 
   そして、その場に居合わせた生徒が、そのときの状況を聞かれ、
               ・・・
 「あぁ、葛木が笑ってるのなんてはじめて見たよ。あれが愛か?愛なのか? あぁ、最近は遠坂も衛宮と仲がいいし何なんだ。   
  クソォーーーーッ!! 遠坂ァァッ!!私にも衛宮を分けろぉぉ」
「いや、美綴。俺は分割できなっ (ガタンッ) ウオッ!!!!」
「ふざけるなぁぁっ!! 
 誰が綾子なんかに渡すもんですかぁーーッ!! ウガァーーーーッ!!」 
  がっしゃーーーん
「黙れ、私のほうが先に目を付けてたんだから私によこせぇーーーーーーっ!!!!」 
  ドッカーーーーン 
               ・・・
 なんて二大怪獣決戦があった事ももちろん知らない。

 また、この日のキャスターの行動に刺激された 野生のトラ が、弟分に愛情弁当を要求し、衛宮邸で騒動が起きたのも別のお話。
  
 「とりあえず、明日の為にお料理の本でも買って帰ろうかしら? 
  お寺の人たちに教わるのもいいわね。」
  ・・・二日連続で梅サンドという惨劇は免れたらしい。
  でも、きっとおいしい料理が出来るだろう。なんせ”愛”は最高の調味料だから。







           おまけ

 「そ、宗一郎様。サンドウィッチは SAND(砂) と WITCH(魔女)以外はパンに挟ん で食べられるというところから来ているらしいのです。」
 「ふむ、それで。」
 「で、ですから。パ、パンに挟まなければ私も食べることが出来るので・・・えっと、  その、私をおいしく喰べちゃって下さい。キャッ、言っちゃった。」
 「なるほど。おいしく頂くとしよう。」
 「あぁん」
  おわり

 -------------------------あとがき---------------------
  はじまめまして、おはこんばんちは。そして、ごめんなさい。愚民なさい。
 Fateの誰かに梅サンド作らせたいなぁ、作るならキャスターだろうなぁ、なんて思ったのが二週間ぐらい前。叩かれるの覚悟で書いてみました。
  だって、誰も書かないんだもん。
 初めて、SS書いてみましたが、ヤマが無い。オチが無い。イミが無い。
地の文も一人称、三人称にぶれまくり。キャラの喋りもぶれまくり。
 と、ヘレン・ケラーもビックリな三重苦の文章が出来ました。 
ギャグにするつもりだったのに・・・。
愚痴を言えばキリが無いので、ここらへんで切り上げて終わりに、、、
 それでは皆さん、またどこかで。
  今回の教訓?
   全ての事を為した時
      己が理想に
                絶望せよ 


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