fate もし外2 (傾 シリアス? Mシロウ


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1: 久遠 (2004/03/07 14:16:49)

 注意1:本編と違い士郎君の一人称ではありません。
 注意2:こんなのは私の金ピカじゃないと思った方はどうかお忘れ下さい。
 注意3:オリジナルというか電波設定です。矛盾点は気にしたら負けです。




 このSSは金ピカで出来ている

 主役は金ピカで ヒロインは士郎

 幾たびの戦場を越えて赤く

 ただの一度の完食はなく

 ただの一度の勝利もなし

 彼の王は一人 屋根の上にて日の出を見る

 故に その生涯は常に王であり

 そのSSは やっぱり金ピカが主役で出来ていた











 




       fate/stay night もし外伝2 ギルッチ黙示録


 interlude 外伝2


 我の一日は柳洞寺の屋根の上で日の出を眺めることで始まる。

 うむ、王として当然の嗜みだ。

 
 ぐ〜!


 む、我の腹が空腹を訴えてくる、これも雑種の飯の味を知ったが故か。

 
 雑種こと衛宮士郎、

 我がエンキドゥ以外で初めて友と思った存在。

 だが王としてそんなことを直接伝える訳にはいかん。




 そう、雑種との出会いは4年前に遡る・・・あれは・・・


 


 
 くっ!

 我としたことがなんたる様だ!


 視界は赤く染まり

 鼻はとうに機能を放棄した

 味覚は一瞬で破壊され

 触覚は絶え間ない汗の感触しか伝えてこない

 唯一無事と言えるのは聴覚だけ

 
 まさかエアですら一方的に押し切られるとは・・・

 それは我にとって悪夢としか言いようがない光景だった。


 それ以前のソレは我の無限の宝具のいくつかで防ぎきることが出来ていた。

 故に現界してからの6年間を五体満足で生きてこれたのだ。


 だがその日のソレは桁が、いや次元が違った。


 その身は赤ではなく真紅。


 それこそが本来の姿だと言わんばかりの圧倒的な存在感をもって我に立ちふさがった。



 我もそれまでとは違う奴のコスモに一瞬で黄金聖衣を装着する。
 


 ・・・この行為を後になって王として誇れることだと思った。

 

 我のお気に入りの服が赤くならなくてすんだからな。



 しかし・・・解せんな、なぜ昨日までのソレと違う?

 この6年なにも変化がなかった筈だ。

 一体何がソレを変えたというのだ?
 
 

 そんな思考の海に浸っていると


 視界の隅に


 超激辛(一口必殺)の文字の綴られた香辛料の袋を持った


 カレー狂の第七司祭が見えた気がした




 ・・・幻覚だろう。

 


 そんなことよりも今は目の前のソレをどうするかだ。

 奴のコスモは生半可な宝具では効かんと我に伝えてくる。

 
 ふむ、本来セイバーに対してのみ使うつもりだったのだが・・・背に腹は変えられないか。




 そして


 蔵から


 我のみの剣を

  
 かつて世界すら切り裂いた


 王の剣を出す 

 
 今でかつて勝利以外を知らぬ我の切り札








 しかし

 
 結果は


 この様だ


 何故負けた?

 最強である我と王の剣が?

 脳が思考できなくなってゆく。

 
 
 「おいっ!

  大丈夫かっ!」



 耳障りな音が聞こえる。

 おそらく現世に溢れるゴミによる騒音だろう。



 「・・・コレを食べたのか・・・?

  なんて愚かな・・・。

  待ってろ今家に連れ帰ってうまいものを食わしてやる!」




 もう耳もよく聞こえん。

 まさか英雄王たる我がサーヴァントでもないただのゴミにやられるか・・・なんて無様な。

 そして不覚にも我は意識を手放した。






 
 目が覚める、どうやらまだ生きているようだ。

 五感もはっきりしている・・・そして視界には、


 
 ずいぶん低く汚い天井だな。

 部屋も狭い、それになぜキングサイズのベッドでないのだ。

 王として待遇の向上を命令したい。



 まるで人のごとく下らない考えをしていると、

 芳しい匂いが流れてくる。

 我は無意識にその匂いの元に向かう。

 
 そこには見たこともないモノが並んでいた。


 なんだ?

 これは飯なのか?

 マーボーではない。

 かつての王宮でもこのようなものは見たことがない。

 また思考の海に沈没していくと、


 「おっ、目が覚めたみたいだな。

  もうちょっと待ってろすぐ残りの料理も出来る。」


 そこにはまだ11,2歳の小僧がいた。


 「なんだ貴様は?

  ここは何処だ?

  さっさと答えろ小僧。」

 
 「おおっ!

  なんて王様な発言なんだ!

  ・・・ま、いっか。

  オレは衛宮士郎。

  んで、ここはオレの家。

  お前がアノ店の前で倒れてて見捨てて置けなくて家に連れてきたんだ。」


 ・・・なんだこの小僧は・・・?


 あいつとは似ても似つかないくせに。


 何故かあいつと、


 エンキドゥといた時のような気持ちになる。 


 




 そう、そのまま雑種のペースにはまったのだったな。

 我らしくもなく言われるがままに慣れない箸を動かしたものだ。


 自然と笑みが零れる。

 いわゆる思い出し笑いというやつだ。

 それから色々あり・・・うむ、王としても過去を捨てたいときがある。


 そしていつのまにか我の中には雑種がいた。


 さて、腹も減ったことだ雑種の家に飯を食いに行ってやるとするか。




 朝焼けを背に受けながら


 我は威風堂々と進んでいく


 なぜなら我は、


 王なのだから


 Interlude out



あとがき

 どうも久遠です。

 何故か番外編その2。

 何故かギルッチ出会い編。
 
 どうか笑って、もしくは見なかったことにして見逃してくれると助かりますです。


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