エミヤ(1)


メッセージ一覧

1: ねぎのり (2004/02/24 16:01:00)

「別に時間を稼ぐのはいいが、別にあれを倒してしまっても構わんのだろう?」

男が背中を向けたまま、口にする。

「アーチャー、アンタ・・・。」

私は驚きながらもすぐに冷静になる。

「・・・ええ、遠慮はいらないわ、がつんと痛い目に合わせてやって、アーチャー。」

男は何を感じたかいつもの声で言った。

「ならば、期待に応えるとしよう。」

これが私とアーチャーの城での最後の会話だった。





〜Fate/stay night side story〜

〜エミヤ〜



「ふむ、無事に城を抜けたようだな・・。」
私は少し、安心しつつ、目前の敵、バーサーカーに身構える。
「ふん、アーチャーの分際で私のバーサーカーに勝てるとでも思っているの?」
イリヤスフィールが凛とした冷たい声で聞いてくる。
「勝てると言ったらどうするのかな?」
少し皮肉を混ぜて返す。
「どうもしないわよ、どーせアナタはここで殺されるんだから。」
私はやれやれと肩を竦める。
「やっちゃえ!バーサーカー!」
イリヤが声に出した途端、今まで立っているだけだった巨人が私に向かって、斧を振り出した。

私はそれを夫婦剣で防いだ。
・・・が。
「ぬおおおぉぉおおおぉお!」
腕に力を入れたのにも関わらずに、私は簡単に吹き飛ばされた。

「ぐっ!」
背中が壁にぶつかる。
この程度の衝撃はたいしたことはない。
私は急いで顔を正面に向け、身構える。

「どう?アーチャー?あなたじゃ時間稼ぎにもならないわ、それがわかった?」
イリヤが余裕の表情で、問いかけてくる。
その余裕の表情に何故か私はむかついた。
「敵を弾き飛ばしたぐらいで、よくもそんなに吼えるもんだ。」
「言ってらっしゃい、バーサーカーもう殺っちゃってもいいわよ。」
「■■■■■■■■!!」
バーサーカーが声にならない雄たけびを上げ、私を殺そうと向かってくる。

私は持っていた、干将と莫取を消す。
そして、私は言う。
「I am the born of my sword」
イリヤとバーサーカーは私が何か言ったのに気づいたようだが、大して気にしていない。
ただの命乞いかそこらと思っているのだろう。
「Unknown to Death」
私は呪文を告ぐ。
「Unlimited blade works」
私が言い終わった途端世界に火が走り、そして世界が変わる。

「なっなんなのこれは?まさか固有結界!?」
イリヤが驚愕に満ちた顔で辺りを窺っている。
バーサーカーも理性はないが、突然のことで多少動揺している。
「固有結界が使えるなんて、あなた一体何者?」
私はその問いには答えない。

「バーサーカー!危険だわ、早くそのアーチャーを殺して。」
「■■■■■■■■■■■■■■!!」
バーサーカーも本能でやばいと感じたのか今まで以上に吼えて向かってくる。
私はただ一言だけ唱えた。
    エルキドゥ
  「・・・天の鎖。」
その途端にあらゆる空間から鎖が出て、バーサーカーの体に絡みつく。
「■■■■■■■■■■■!!!」
バーサーカーが吼える。
「ふむ、剣以外の投影は苦手なのだが、どうやらうまくいったらしい。」
「バーサーカー!」
イリヤが叫ぶ。
「ヘラクレスは神性が高いのが運をそうした、私自身にやったら恐らくは簡単に壊せただろう。」
私は自嘲する。
さて、そろそろトドメといこうか。
私は無数の剣を縛られているバーサーカーに向けて放った。
バーサーカーにザクザクと剣が刺さっていく。
腕を跳ね飛ばし。
体を八つ裂きにする。
「イヤァアアアアア!!」
イリヤが叫ぶ。
死んでもいいはずの致命傷なのに、バーサーカーは死なないどころか、傷が治っていく。
「これは・・・まさか・・・。」
そうだった。
相手はヘラクレスだ。
なら十二回殺さないと殺せない。
魔法量の関係から、恐らく私がバーサーカーに勝てるのは6回が限度だろう。

ならば勝てる方法は一つだけである。

「イリヤスフィール・フォン・アインベルン。」
わたしはイリヤに言う。
「えっ?」
イリヤは自分が呼ばれたのに驚いている。
「すまない。」
私は弓とカラダボルグを投影してイリヤに向けて構える。
イリヤはキョトンとした表情のままである。
「私にはまだ、やることがあるのでね。」
バーサーカーが主の危険を察知して吼える。
だが鎖は無残にもバーサーカーの行く力をなくしている。
そして私は指を離した。

あとに残ったのはバーサーカーの最後の雄たけびだけだった。


































〜あとがき〜
初投稿です。
よろしくお願いします。
なんか分けわかんない事になっているのは気にしないでください。
アーチャーがあの時勝っていたらというのを考えて書いてみました。
これは読みきりじゃなくて連載を目指しているのですが、中々難しいですね。
では、また書くかもしれないのでこれからもよろしくおねがいします。


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