空の月3


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1: うり坊 (2003/12/04 21:30:00)

8・夕方、志貴達は旅館に集まった。
「それで、どうだった?」
志貴がアルクェイドに聞く。
「西と南の森に崩壊した、祠があったわ。」
「こっちは、北と東の山の中に祠があったけど・・・壊されていました。」
続いてシオンが答える。
「東西南北に祠・・・・もしかしたら、その祠、結界の媒介かもしれません。」
シエルがボソリと言う。
「つまり、4つの祠の中にそれぞれ媒介となる鬼が封印されていて、中心の祠の鬼を押さえつけていたかもしれません」
「毒を盛って毒を制する。」
「すると、鬼は5匹か」
「けど、このメンバーなら大丈夫だろ?」
確かに真祖に埋葬機関、アトラスの錬金術師、燈色の人形師と『直死の魔眼』保有者が二名
このメンバーなら大丈夫なはずだ。
「それはどうかしら?志貴」
「鬼は死徒みたいに再生能力が無いけど、力、能力、スピードが違います。」
「それに千年前の鬼だと二十七祖に匹敵、下手をすればそれ以上するわ。」
「・・・・・・」
軽い眩暈が起きる。
肉体的ではなく精神的に
ネロ・カオス以上の化け物が五匹もいるなんて・・・
「これは、少し骨が折れるな。」
と突然、別の声が聞こえる。
「橙子さん!?」
「今まで何処にいたんですか?」
「結界を張りにあっちこっちにな。」
「と言う事は・・・間違いなく、結界を破るために術者を襲うわね。」
「・・・・・・・・・」
ぐ〜〜〜
「あっ、悪い、俺だ。」
志貴はみんなに謝る。
「とりあえず、ご飯を食べましょう。」
「そうね。」


とりあえず、話を適当に区切り部屋を後にした。


9、「さて、飯も食った事だし、次はスポーツだ!!」
いきなり立ち上がり言い出す大輔さん
大輔さん・・・口元にご飯粒がついていますよ・・・
「スポーツて・・・何やるんですか?」
と幹也が聞く。
「ふっ!ふっ!ふっ!ふっ!よくぞ聞いた!温泉と言えば旅館!旅館と言えば卓球だ!」
「卓球ですか?」
「そうだ!勝者は敗者全員なんでも命令することができるのだー!」
「「「「「なんでも・・・・・・・」」」」」
この時、一部の者がよからぬ事を考えた。
「参加するわ!」
「私も!」
次々に参加する
「それでルールは?」
「ルールは簡単、勝てば良し!!」
キュピーンと目が光る者達・・・・





「レディー・エンス・ジェントルメン!これより第一回卓球大会を開くぞ!」
パチパチ
みんなにくじを引いてもらい結果・・・・

一回戦、志貴VS有彦
二回戦、琥珀VS翡翠         Aグループ  
三回戦、秋葉VSシオン

――――――――――――――――――――――――――――

四回戦、幹也VS大輔 
五回戦、式VS鮮花        
六回戦、シエルVSアルクェイド    Bグループ
シード、レン

ついでに橙子さんは興味無しということで・・・出場しません。

「第一回戦、志貴君と乾君!」
「ふっ、こんな形で、お前と決着をつけるとはな・・・」
「ああ、そうだな。」
「「勝負!!」」


白熱した試合が10分続き・・・・
「やるな遠野・・・」
ドサッ
「有彦・・・お前もなかなかだった・・・・」
なんで、卓球で倒れるんだ心友よ?
「勝者!志貴君!」
「続いて第二回戦、美しき二人の双子、琥珀さんと翡翠さん!」
「いきます。姉さん」
「お手柔らかにね。」
「では、始め!」


勝負はあっさりとついてしまった。
「くっ!負けました・・・」
がっくりと膝を落とす翡翠
「あはー、勝っちゃいました。」
ぴょんぴょんと跳ねながら喜ぶ琥珀さん
けど、明らかにピンポン球の軌道が不自然なのは、気のせいだろうか?
「三回戦、秋葉ちゃんとシオンちゃん。」
「あの〜兄さん・・・これ、どんなゲームなのですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
全員が凍りつく・・・・・
「・・・・・シ、シオンちゃんの勝利!!」
「待ってください!」
秋葉がみんなに言った。
「?」
「シオンもルールを知らない筈です!」
「あっ!!」
たしかにシオンの国で卓球は・・・・・あるのか?
「知っています。」
とシオンが胸を張って言う。
―しかし本当のところは私も知らないからエーテライトで志貴から卓球の情報の聞き出しましたけどね。
「えっ!?」
秋葉が驚く。
「じゃあ、やはりシオンちゃんの勝利で・・・」
「さあ!次だ!」

「では、今度はこの大輔様の番だ。」
「それでは、審判は私がしますね。」
こほんと琥珀さんが咳払いをする
「それでは、四回戦、大輔さんと幹也さんの勝負です。」
「お手柔らかに・・」
「こちらこそ・・・」
「始め!」
10分が経過した。
「ハァ、ハァ、なかなかやりますね・・・大輔さん・・・」
「ゼィ、ゼィ、そっちもな・・・・」
「ただいま~10対10どちらもリーチです。」
「そろそろ、決着をつけましょう。」
「そうだな・・・・」
「・・・・・・あっ!式ちゃんの浴衣が!!」
「えっ!」
「どりゃあああああ!」
カコオーン
「しまったー!」
「まだまだ甘いぞ幹也!」
「今の卑怯ですよ!」
幹也君、審判に聞くが・・・
「そんなことはありません。」
いつもの笑顔できっぱりと言う琥珀さん
「なんでですか?」
「勝てばよろしいのですから。」
何気なく強調する。
「そうだ、最初に言ったはずだぞ『勝てば良し』とな・・・」
「そんな〜」

「それじゃあ、次だ。」
「式ちゃんと鮮花ちゃんだ!!」
「負けたら兄さんから離れてください。」
「負けたらの話だ。」
「レディ・・・・・ファイト!!」



5分後・・・
「まだ0対0ですね・・・・」



さらに5分後・・・
「いつになったら、点が入るんだ?」


10分後
「くっ!」
息を切らしながら喋る鮮花・・・
結果。10対11で式の勝利
「まだまだな。」
式の方はまだまだ余裕があるようだ。

10・「やっと終わったか・・・」
「次は・・・・」
「わたし!わたし!」
「六回戦、アルクェイドさん対シエルさん!」
「覚悟しなさい!」
「そっちこそ!」
「レディ・・・ファイト!!!!」



10分後・・・
「7対5でアルクェイドさん優勢です。」
「どうしたの、シエル?あなたの実力はこんな物かしら?」
「く〜〜〜!!!」
「あっ!わかった!!カレーの食べすぎで体が動きにくいのね?」
「な、なんですって――――――――!!!」
「悔しかったら、かかってきなさい。」
「ならば・・・・・」
すっ、と浴衣の袖をごそごそとあさりながら、中から黒鍵を数十本、引き出し、それをアルクェイドに向かって・・・
マシンガンのように投げる!!
「ちょ、ちょっとそれは、反則でしょ!」
「先輩!一般人がいるんですよ!!」
ドサッ、ドサッ
人が倒れる音が二つ、後ろ振り向くと・・・
「気にせず、戦ってください。」
微笑む琥珀さんの後ろで有彦と大輔さんが・・・・・泡を吹いて倒れているのは見なかった事にしよう・・・
「こ、琥珀さん・・・・」
「てやああああ!!」
「せいっ!!」


5分後・・
「両者共、もう卓球をしていませんね。」
試合と言うより・・・・死闘
「ああ・・・」
ゴスッ
「あっ・・・今、勝負がつきました・・・どうやら、二人共クロスカウンターが決まって、ダウンですね。」
「え〜六回戦の勝者がシードと当たるのですが・・・二人共、復活しませんね・・・」
「と、言うことは・・・レンが準決勝に進むのか。」
「では、準々決勝は私と志貴さんですね。」
「よろしく、琥珀さん。」
「いえいえ、こちらこそ・・・」
「では、審判は翡翠ちゃんにしてもらいます。」
「はい、姉さん」
「それでは、始めてください。」



開始から3分後、勝敗は目に見えていた・・・・
「残念でしたね、志貴さん。」
「今の絶対、反則だよ。」
「勝てばいいんですから。」
「そんな〜」

11・「次の準々決勝は・・・・式さんと大輔さんです。」
「琥珀さん・・・」
「はい?」
「大輔さんは・・・・・」
と今も倒れたままの大輔さんを指差す。
「式さんが準決勝に進みます。」
「・・・・・・・・」
「それでは、準決勝、私とシオンさんで・・・・」
「がんばれ〜シオン」
「あら?私には応援しないのですか?志貴さん」
「がんばれ〜琥珀さん」
「それでは、始めてください。」
「いきます」
(残念ですが、貴女にエーテライトを付けていますから、貴女のする事はわかります。)
(それは、どうですかね〜?)
「っ!?」
(そんな!?逆にハッキングされた!?琥珀、貴女は一体・・・)
(ふふふっ、まだまだですね、そんなシオンさんには・・・・・めっ!です。)
ぽん!!ぷしゅ〜
「んっ? わっ!?シ、シオンの頭から煙が〜!!」
「あらあら、どうしたのでしょうね。」
「何したんですか!琥珀さん!!」
「何もしていませんよ。」
「とりあえず・・・休ませよう。」
「次の準決勝は式さんとレンちゃんです。」
シオンの心配をせず、さらっと話を進める割烹着の悪魔・・・
「俺は降りる。」
「なんでですか?」
「それはその・・・・・」
式はレンに勝てる自信があるが・・・琥珀さんとやると『無事ではすまない』と本能が告げている。
「まあ、別にかまいませんけど・・・」
少し残念そうに言う琥珀さん
「じゃあ・・・・決勝戦は、琥珀さんとレンちゃんか・・・・」
「レン〜、降参しろ、シオンの二の舞になるぞ!!」
レンは、ふるふると首を横に振る。
『だめ、まだ私ゲームをしていない・・・』
確かに今までは不戦勝で勝ってきた。
「レン・・・・」
「それでは、決勝戦、始め!」
ともう試合は始まってしまった。
「いきますよ〜レンちゃん!」
「・・・・・・」
「それっ!!」
といきなり、強烈なサーブが撃たれた。
シュルルル・・・・・・・パコーン!!
カン、カーン
球が琥珀さんの足元に転がる・・・
「へっ!?」
「琥珀さんの球を打ち返した!?」
「あ、あははははっ、少し・・油断しちゃいまいたね。」
「・・・・・・・・」
「もう一度いきますよ〜」
「そ〜れっ!!」
さっきのとは全然比べのもならない程のサーブが打たれる。
ネットの上を通過した時、球が消えた。
「どうです!!琥珀流大○ーグ○ール1号!!」
レンがスッとラケットを構えて・・・・
パコーン!
またしても打ち返した・・・
「す、すごい!!」
「次のサーブ権はレンちゃんです。」
「・・・・・・」
「さて、私の球を打ち返したレンちゃんがどんなサーブを見せてくれるか、楽しみです。」
スッ・・・・
カコ――――ン
「甘いですよ――!!」
パコーン!
「おおおっ!!!」
「どうです!琥珀流大○ーグ○ール666号!!!」
球が無数に増えていく(現在進行形)
「さあ!これをどう返しますか!!」
「・・・・・・・・」
レンが構える・・・
シュ・・・パコーン!
またまた打ち返した・・・・そして琥珀さんも打ち返した。
「本物を見破るなんて・・・・やりますね!」
「・・・・・・」
「しかし、まだ勝負はこれからです!!」



20分後・・・・
「10対9でレンちゃんがリードです。」
「すごい・・・琥珀さん相手にリードなんて・・・」
「やりますね・・・私も後には引けませんから・・・これで決めます!」
「琥珀流最終奥義・・・席覇天強剣!!」
琥珀さんが打った球は鉄板も撃ち抜きそうな勢いだ。
琥珀さん・・・・レン相手にそこまでしますか?
だが・・・・
パコーン・・・
カ――ン、カ―――――ン
球が床で跳ねる・・・・
「レ、レンちゃん優勝です!!!」
「残念です、優勝したら志貴さんで色々な実験しようと思っていたのに・・・」
ガクッと膝を落とし、恐ろしい事を言う琥珀さん・・・・
「勝者は、なんでも命令していいんだよ。」
と志貴は少し腰を下ろして、レンに言う。
「ケーキが欲しい?」
「・・・・・・・・」
尋ねるが首を横に振る。
『志貴・・・・』
「んっ?」
その時、レンが服の袖を引っ張り・・・・・
レンが志貴の唇にキスをした。
『ごちそうさま』
「「「「「「あ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」」」」」」
女性陣が声を上げる
「志貴―――(怒)」
「ま、待てアルクェイド!!」
「遠野君〜(怒)」
「先輩!!誤解です!!!」
「兄さん~(怒)」
「落ち着け!!秋葉!!」
「志貴様(怒)」
「違うんだ!!翡翠!!」
「志貴さん〜私は気にしていませんよ~(怒)」
「琥珀さん!その手にある注射器はなんですか!?」
「志貴・・・(怒)」
「シオンも落ち着いて!!」
ジリジリと間合いが詰められる。
先生・・・・もう二度とあの草原で会えないかもしれません。By志貴

ただいま・・・リンチ中です。しばらくお待ちください。

20分後・・・・
「さて、お風呂にでも入りますか。」
爽やかな顔で言う秋葉
「賛成〜」
「少し汗をかきましたしね。」
アルクェイドとシエルが賛成する
「運動(?)の後のお風呂は気持ちがいいですしね〜」
などと言う女性陣の5m後ろで・・・・志貴君、ロープで吊られてサンドバックの刑と言うよりも・・・
シエル先輩の黒鍵による黒ひげ危機一発の刑が行われた・・・・
「と、遠野君・・・大丈夫か?」
幹也さんが心配そうに言ってくれる。
なんて優しい人なんだ。
ついでに式は気にせず風呂に行った。
「な、なんとか・・・・・」
吊るされたまま声を振り絞って言う・・・
「ふぁ〜〜〜よく寝た・・・・ん、なんだ、もう卓球は終わったのか。」
「おっ!どうしたんだ遠野?そんな黒ひげみたいな格好して?」
大輔と有彦が起きた。
「はははっ、ちょとな・・・・・」
「さてと、秋葉ちゃん達は?」
「風呂だ・・・」
「よし!!俺らも行くぞ!!」
「有彦・・・・お前、昨日の事、忘れたのか?」
「なにを言う!!あの程度で諦めたら・・・漢が廃れるぜ!!」
「分かった心友(心の友と書いて)・・・最期までつきあうぜ!!」
「「うお―――!!!」」
ドドドドッ!!
「じゃあ、大輔さん、てっ!?あれ?」
「幹也〜早くしないとほっていくぞ!!」
ピュ――――ン
どこぞのロボット少女みたいに手を広げて廊下を走っていく。
「は、早!ちょと、待ってください!」
幹也も慌てて追いかける。


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