空の月2


メッセージ一覧

1: うり坊 (2003/12/04 21:26:00)

5.「次は、私が・・・」
五番手、秋葉
「それでは、いきます。」



結局・・・・またも有彦に命中・・・・
「ふっ・・・・もう・・思い残す・・・こと・・は、な・・い・・・」
ドサッ!
ついに有彦が倒れた・・・有彦、お前は英雄だ・・・・・・・
シュルルル
「えっ?」
スコーン!
完璧な不意打ちだった・・・
けど誰が投げたんだ?
そして、俺は、バランスを崩してそのまま奈落に落ちた。
ドサッ!
(答え、レンちゃん)


「ふーう、いい湯だったね。」
と満足そうに言うアルクェイド
「たまには、こういうのもいいかもしれませんね。」
廊下を歩きながら喋るシオン

50メートル

「橙子さん、お風呂はこっちでしょうか?」
尋ねてくる鮮花
「たぶんね・・・」
そっけなく返事する橙子さん


45メートル

「兄さん、反省したかしら?」
少し怒りながら言う秋葉
「たぶん・・・していませんね。」
と、ちょと笑いながら言う琥珀さん

40メートル
「橙子、何か変だ。」
式が警戒しながら言う。
「そうだな。」
橙子が眼鏡を外す。
30メートル

「アルクェイド・・・あなたも気がつきましたか。」
シエル先輩が注意を促す・・・
「そうね・・・強い力を感じるわ。シオン、あなたもわかる?」
アルクェイドの表情が険しくなる。
「はい」
15メートル

「式・・ナイフをすぐに出せるようにしとけ・・鮮花、手袋の準備だ。」
「わかっている。」
と懐のナイフを持つ。
「えっ?!橙子師、どうしたんですか?!」
いまいち状況が掴めない。
5メートル

「「・・・・来た!」」
シエルと橙子の声が重なる。
「なっ!あなたは青崎 橙子!」
驚きの声が出る
「なんだと!?埋葬機関の『弓』、アトラスの錬金術師、それと真祖の姫がなぜここにいる!!!」
あちらも驚きの声をあげる。
「何故あなたがいるの?目的は何?」
圧死をさせるかの様なアルクェイドの殺気が橙子達を襲う。
そこに後から来た秋葉が割って入ってきた。
「どうしたのですか?なっ!両義 式!」
そこに立っている女性を見て秋葉が、驚く。
「まさか・・こんなところで、遠野家のご息女がいるとはな・・・」
両義と遠野
お互い家系からして敵対関係である。
こちらも状況は良くないようだ。
「どうする?橙子」
式が橙子に聞く。
「下手に相手を刺激するな、お前でもアレとはレヴェルが違いすぎる。」
両者、共に動けず時間がすぎた。
裏の世界の者なら瞬時で逃げたくなる程のメンツ
だが、その緊迫の空気を二人の青年が破った。
「式なにしているの?」
「どうしたんだ?アルクェイド」
声のする方を振り向くと二人の青年がいた。(有彦を引きずりながら)
「志貴!」
「幹也!」
二人が同時に言う。
「志貴、気をつけて!」
「へっ?」
いきなりの事で状況が理解できない。
「幹也、ここから離れろ。」
「はい?」
こちらも同じようだ。
「いきなりどうしたんだ?」
「あいつ等・・・危険よ。」
「あいつ等?・・・・黒桐さんのこと?」
「黒桐さんてっ・・・・志貴、あいつら知っているの!?」
「ついさっき知り合ったところだけど・・・・?」



6.「どうゆう事か、説明してくれるかしら、志貴?」
「私も聞きたいですね?」
「兄さん、説明してください。」
3人が志貴に詰め寄る。
「幹也、事情を話せ。」
式も幹也に詰め寄る
「いや、そのだな・・・有彦が気を失ったままだから途中まで引きずっていたら幹也さんが手伝ってくれたんだ。」
と志貴は今も引きずられている有彦を指差す。
「そう言う事だよ式。」
「お前が言うなら本当だろな」
どうやら納得したようだ。
「いいわ、志貴がそう言うのなら確かでしょうね。」
「ところで、お前こそ、ここで何しているんだ?」
「えっ!その・・・実は・・・・」
5分後
「まったく、せっかく旅行に来ているんだから大人しくしてくれよ。」
「けど・・・」
なにか言いたそうな、アルクェイド
「けどもあるか、みんなも解った?」
「「「はーい・・・」」」
まだ納得していないようだ。
「橙子さんも式も解ってくれた?」
「しょうがないな」
「しかたないな」
「志貴さーん」
廊下の奥から聞き覚えのある声が聞こえる。
「琥珀さん!」
なんだか少しほっとする。
「琥珀、貴女今まで何処にいたの!」
問いただす秋葉
「レンちゃんと翡翠ちゃんで一緒に女将さんの手伝いをしていたのです、ここの旅館、人手不足だったので私達が手伝いをしていたんです。」
「そうなんだ。」
――ついさっきまで一緒にいたのにいつのまに消えていたんだろう。
「あっ、そろそろ夕食なので、大広間に集まってくださいね。」
微笑みながら、言う琥珀さん
「そうだ!幹也さんもどうですか?」
「いいのですか?」
「ええ、いいだろ、秋葉?」
「に、兄さんがそこまで言うのなら・・・・」
「じゃあ、決まりだな。」
「両義さん、今は兄さんに免じて互いの家については、なしにしましょう。」
「仕方ないな。」

大広間にて・・・・・
「本日の晩御飯は、カニ鍋と和食のフルコースです、レンちゃんはこれで・・・」
と琥珀さんがお子様ランチ(和食バージョン+抹茶ケーキ付き)をだしてくれた。
コクンと嬉しそうに頷くレン
「えー、それでは、めんどくさい事は、省いて、かんぱーい。」
なぜか、演説をする有彦&大輔
カツンとコップがぶつかり合う・・・・
有彦&大輔、舞台で何故か演歌を熱唱中(誰も聞いていないが・・・)
「そう言えば、君の名前は?」
「遠野志貴です。」
「なるほど・・・・・聞きたい事があるんだが、その眼鏡は私の馬鹿妹が奪っていった代物だがどこで手に入れた?」
お箸で眼鏡を指す。
「これは先生から貰いました。」
「先生?」
「先生と言っても僕が勝手に呼んでるだけです。先生は僕の人生の先生みたいな人です。」
「あいつが人生の先生ね・・・・ソレで何を封じている?」
あの青子がね・・・・あいつが教えるとしたら破壊と混沌だけだと思っていたが・・・
「秘密にしてくれるのなら教えます。」
「いいだろう。」
ほう・・・秘密にしなければならない程の魔眼とはな・・・
「『直死の魔眼』です。」
「なっ!・・・・まさか生きている内に二つも見るなんて・・・・」
式以外にも同じ魔眼の持ち主がいたとは・・・
「二つ?もう一つは誰が?」
橙子さんの言葉に耳を疑った。
「そこの和服を着た彼女だ。」
「えっと・・・お名前は?」
恐る恐る尋ねてみる。
「両義式・・・」
素っ気なく返事をする。
「しき?」
「最初は驚いたよ、名前が同じだったのが。」
「式さんは魔眼封じをしなくても平気なんですか?」
自分と同じ魔眼なのに式さんは何故、『魔眼殺し』をしていないだ?
「俺は家系のお陰だな。」
「そうですか・・・・・ところで両義さんが見えるのは生きているものだけですか?」
同じ能力でもロアみたいにただ単に命を殺すものかそれとも自分と同じものかソレを見極めたかった。
「当然だろう?生物でなければ命はないはずだ。」
「そうですか・・・」
やはり自分の目は更に異常だと思った。
「一体なんなんだ?」
「俺には全ての死が見えるのです。」
「全て?」
「ええ、そうです。見てください。」
眼鏡を外すと目の色が蒼くなる。
近くにあった湯飲みを『視た』
頭に頭痛が襲う。だがこの程度なら大丈夫だ。
そしてソレを『殺した』。
湯飲みは綺麗に『分かれた』初めからそうだったかのように・・・
「これは?!」
「遠野君、君は・・・・・失礼、何も無い・・・」
喉まで出掛かったものを押さえる。
橙子さんはしばらく考えて口を開いた。
「君にとってその眼鏡は必要だろう。それは君にあげる。」
「信じられん・・・あの橙子が他人に物をあげるなんて・・・」
と異様な目で橙子を見る。
「ずいぶん、失礼な言い方ね?」
額に青筋をたてながら微笑む。
「二人とも落ち着いて!今は食事中ですよ!」
「確かにこんなところで暴れたらせっかくのカニが無駄になる。」
そして・・とても、楽しい時間が過ぎていった・・・
「それでは、私と翡翠ちゃんとで料理の後片付けをしますので」
「じゃあ、お願いします。」
ただいまの大広間の様子

お酒を飲みながら、それぞれの組織に愚痴を溢す、橙子さんとシエル先輩
なにやら、妹二人組み(秋葉と鮮花)は、兄さん補完計画の会議中
せっせと片付けをしているメイドシスターズ
そして、いまだに大輔と有彦がカラオケを熱唱している。(誰も聞いていないが)
シオンは顔を真っ赤にしている。(どうやら、酔っているようだ。)
アルクェイドとレンは・・・カニの身を取るのに格闘中。
式さんと幹也さんはいたって普通(?)

「ねえ!志貴、お土産買いたい!」
と突然抱きつきながら言う。
「お土産て・・・もう土産屋は閉まっているぞ?」
大広間の時計の針を見ながら言う。
時間はもう9時・・・・
大抵のお店はもう閉店時間を過ぎている。
「一応、見に行こうよ!」
志貴の背中に弾力のある胸が当たる。
「あ〜、わかった!わかったから抱きつくのは止せ!」
「本当!じゃあレンもおいで!」
とアルクェイドはレンを連れて行った。
「やれやれ・・・」
ため息をつきながらその場を後にした。

「閉まってる・・・・・」
旅館内に設置されている土産屋は防犯のため、シャッターで閉じられている。
「当たり前だろ?普通こんな時間帯までしないぞ!」
「だって〜せっかく、志貴とも初めてのの旅行なのに・・・・」
「・・・・・・・・」
気まずい状態になる。
「あら?どうしたんですか、こんな所で?」
と廊下から女将さんが来た。
「あっ、女将さん。」
「ね〜女将さんお土産屋開けて〜」
アルクェイドは子供の様に言う。
「こらっ!アルクェイド!」
「いいじゃない!」
「ふふふふっ、いいですよ。そのぐらい、ちょっと待ってくださいね。」
と女将さんはシャターの鍵を取り出した。
「どうもすみません。」
「いえいえ、これも商売の内ですから」
「志貴〜コレがいい!」
すでに店の中に入ったアルクェイドの声が聞こえる。
「ふぅ・・・・まったく無邪気なお姫様だ。レンも何か持っておいで。」
「・・・・」
レンはコクンと頷くと店に入った。
「女将さんは・・・」
「楓でいいですよ。」
「楓さんはどうしてそんなに親切なんですか?」
「昔・・・をね・・・・」
「そうですか・・・」

「じゃあ、コレお願いします。」
レジに商品を3点置く。
「え〜と全部で1000円ですね。」
「えっ!?値札を計算しても1500円はしますけど?」
「サービスですよ。」
にっこりと微笑む女将さん。
「ありがとうございます。」
「気にしないでください。」
商品を紙袋に入れる。
「なんか・・・あなた達を見ていますと家族のようですね。」
目を細めながら微笑む。
なにかを思い出すかのように・・・
「そ、そんなんじゃありまあせんよ!」
「いいじゃない?志貴。」
「あのな〜」
志貴はため息を漏らす。
「じゃあ、楓さんおやすみなさい。」
「はい、おやすみなさい。」
志貴と女将さんは言葉を交わしその場を後にした。

そして・・それぞれが部屋に戻りだした。
「じゃあ、僕たちはこっちの部屋なので」
と幹也さんが言う
「遠野君。」
唐突に橙子さんに呼び止められる。
「はい?」
「明日、話したいことがあるのだが時間を頂けないか?」
「いいですよ。」
「それじゃ、おやすみ。」
俺は眠っているレンを背中に担ぎ言葉を交わす。
こうして、一日が終わりを告げようとしていた。



その夜、一人の影が月の光に映り、廊下を歩いていった。
そう、これから起こる事の前触れかのように・・・
やがてその影は闇に融ける様に消ていった。



7・「うーん・・・」
深い眠りから、うっすらと誰かの声が聞こえてくる。
「お・・・い・と・・遠野!起きろってば!」
「なんだよ・・・有彦・・まだ、朝の7時だぞ・・・」
「そんな事より湖で大変な事があるんだ!」
「はあっ?」


有彦に起こされ、旅館の近くにある湖で行ってみるとそこには・・・・
「こ、これは・・・」
先程の眠気が一気に消えてしまった・・・
そこには、無数の動物の死骸が横たわっていた。
それは、色々あった、イノシシや鹿、熊、鳥などが
ほとんどが、原形を留めていない。
「志貴・・起きたのね。」
「アルクェイド!」
「それにしても、酷いものですね。」
「先輩、これは一体・・・・」
「おそらく、鬼だ。」
「橙子さん」
「この湖の中心にある、崩れている祠、あれは、私の工房に張っている結界と同じ性質だ、そのうえ強力な封鬼の札を何重に貼っている、ご丁寧に締め縄で締めている。まったく私でさえ気がつかなかったからな・・・・」
橙子は湖の小島にある、崩れてしまった祠を指さす。
「それで、鬼は・・・」
恐る恐る聞いてみる。
「おそらく、まだこの近くにいるはずだ。」
「近くにいるのですか!?」
「ああ、そうだ。」
すると、誰かの足音が聞こえてきた。
「おっ!橙子さん、どうしたのですか?こんなところで・・」
「大輔さん!」
「なんだ、これは?!」
散乱している、動物の死骸をみて驚く。
まあ、当然の反応だな。
けど大輔さんは刑事だ、物事がややこしくなりそう・・
「えっと・・そのですね・・」
如何にかしてこの場を凌ごうといい案を考えるが思いつかない。
プスッ
ドサッ
「へっ?」
なぜか、大輔さんがいきなり倒れてしまった。
「気をつけてくださいね、志貴さん」
倒れている大輔さんの後ろから一人の女性が現れた。
「こっ琥珀さん!?」
「さてと、今のうちに片付けちゃいましょうか。」
「はい・・・ところで、琥珀さん・・・後ろで、何故有彦が倒れているのですか?」
「口封じですよ。過去3時間の記憶は無くなりました。」
ニッコリと微笑む琥珀さんは、恐い。
しかし、この惨劇を引き起こした者は、どこに行ったのだろう・・・

「幹也、今日はなるべく俺と一緒にいろ。」
「わっかた。あれ?橙子さんはどうしたの?」
「橙子なら用事があるって言っていた。」

「さて、どうします、兄さん?」
「放っとく、わけにはいかないな。」
「確かにそうですね・・ここは、二組に分かれて鬼を探しましょう。」
シエルが提案を出す。
「あっ私、志貴といいー」
「なに、言っているのですか!貴方は!」
真面目な気分がぶち壊しだ。
「そうです!」
「けど、妹は無理だよ。」
「そうですね、秋葉さんは山道に慣れていませんね。」
「くっ!」
反論が出来ない。
「じゃあ、妹を抜いて、誰が志貴と組むか・・ジャンケンで決めましょう。」
「「「最初はグー、ジャンケン、ポン!」」」
勝利の手は誰に?!
「・・・・勝っちゃいました。」
「くっ、シオンに取られちゃた。」
「残念です。」

捜索チーム
志貴、シオン、チーム
アルクェイド、シエル、チーム

「それでは、捜索をしますか」
「ええっ・・」
「何かあったら、連絡してください。」
「はい」


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