真夏の終わりに・・・


メッセージ一覧

1: グリフィンドール生 (2003/01/04 23:23:00)

じ〜・・・俺はこれからしばらく使う部屋のベットから天井を見る。
たった少しの会話で、ここの人達は良い人だとわかった。
しかし、うまくやっていけるかは別問題だ。
ガバッ、ベットから起き上がる。そう、俺はこんな事をしていてはいけないのだ。
「さて、やるぞ。」
気合をだす。何故なら、

          部屋に・・・ダンボールが五個もあるんだから。(しかも大きめの)



しばらく居間に沈黙が流れる。タタタタタタ・・・翡翠が戻ってきた。
秋葉が言う。
「翡翠、隆一の様子はどう?。」「はい、どうやら落ち着いてはいるようです。」「・・・そう。」
とにかく、これから隆一は家族の一員となるのだ。家族らしく・・・何をするんだろうか。
「志貴さん。」「何ですか、琥珀さん?。」「いつも通りでいいじゃないですか。」
確かにそうだ。いつものように・・・でも。

          琥珀さん、あんた何で人の心がわかるんですか?。



久我峰家でのお小遣いが毎月千円。それで、漫画を買ったりゲームを買ったりした。
ゲーム機は友達に千円で貰った。(買った?。)理由は、○○○○2は○○○○1の方のディスクも使えるので必要が無くなったからだ。
久我峰家の人達に頼べば買ってもらえただろうが、そういう事はしたくなかった。
とにかく、そういった<俗物>がダンボール三個分だ。
まあ、そのうち一個はテレビとノートパソコンに占領されているので多いとも言い切れない。(・・・ソウカナ?。)
この二つも実は直接買った物ではない。両方とも久我峰家で粗大ごみとして捨てられそうだったので、<勿体無いから>と理由を付けて手に入れた。
お金持ちが捨てる物はまだ使える物が多い。
ただし、捨てられた物を勝手に持って行くのは犯罪だそうだ。
まあ、貰ったからこの点も問題は無い。(・・・<ゲームキ>ハ?。)
残りの二個は衣服などが入っている。部屋のクローゼットにしまおう。
最初から置いてあった机にノートパソコンを設置。
テレビを・・・持ってきた<捨てられそうだった折り畳み式のテーブル>に乗せる。
後は・・・漫画やゲーム関係を・・・組み立てる本棚に入れる。少し前に、ある店で買ってここにダンボールごと送ったのだ。
こういう本棚は完成している物より、自分で組み立てる物の方が遥かに値段が安い。だから簡単に購入できた。
そして、ここに来て二時間程で、部屋は整った。

そして、だいぶ落ち着いた頃、ドアがノックされた。
「隆一様、夕食の準備が整いました。」「はい、わかりました。すぐに行きます。」「・・・。」
翡翠さんが立ち去る。
「ふう〜、・・・さて行くか。」
部屋の外に出る。

夕食はなかなか美味しいものだった。詳しくはわからないがそれなりに高い食材を使っていただろう。
前にここに来た時、マナーが悪くて何度も睨まれたが今回はちゃんと久我峰家で基本は勉強したので睨まれなかった。
しかし、話しながら食べる、なんて事は無いようだった。

夕食後、居間でお茶会が開かれた。最初の話題は俺が主役だった。
「どうだい、何とかこの家に慣れそうかな?。」
志貴さんだ。
「はい、何とかなりそうです。」
そう言って、手に持った高そうな紅茶を飲む。・・・味は苦くてよくわからないが。
「あは〜、志貴さんも来た時そうでしたよね〜。」「ええ、何せ八年間も離れて暮らしてましたから・・・。」
へえ〜、そんなに長い間・・・。
「まあとにかく隆一にはこの家に早くなれてもらわないと・・・。」
秋葉さんが言った。しかし・・・。
「志貴さん。」「何だ?。」「幸せ者ですね〜。」「えっ。」
首を傾げている。
「だって・・・こんなに美人の人達に囲まれて暮らしてるじゃないですか。」
と言って、皆の顔を見る。
「はっ。」「えっ。」「・・・あ、あは〜。」
あれ、何か動揺して固まった。
「・・・そう・・・見えるか。」「えっ、志貴さん何か言いました?。」「いや、何も。」
何か一瞬だけ疲れた顔をした気がした。
「りゅ、隆一、な、何を言ってるのよ。」
お、秋葉さんが復活した。
「いえ、ただ皆さん美人だな〜、って純粋に思っただけなんですから。」
そう言うと、また三人は固まった。
「私が美人・・・。」「美人・・・美人。」「ほえ〜。」
・・・このリアクションは何を意味するのだろうか。

ニャ〜ン、何て声が聞こえてきた。
「えっ。」
声がした方を振り向く。
「レン、こっちに来るかい?。」
ポンポンと自分の膝を叩く志貴さん。シャッ、オリンピック選手顔負けの速さで移動した。
ニャォ。(し〜き〜。)
「志貴さん、その黒猫は?。」「ああ、紹介してなかったね、この子は<レン>。見ての通りの<ただの>黒猫だ。」
へえー、黒猫は不吉だと言うけど意外と可愛い。しかも体と同じ黒色のリボンを付けているとは・・・。
「リボンまで付けるとは・・・おしゃれですね〜。」
はて?、前にも黒で自分がおしゃれだとか抜かした奴がいたかも・・・ああ、あいつか。・・・忘れよう。
「え、うん、まあね。」「しかし、猫ですか。」
そっと立って近づく。スッ。あっ、何か身を引かれた。膝の上だからそれ程移動は無いが動くのはよくわかる。・・・触るのは今度にしよう。座る。
「こらこら、隆一は大丈夫だぞ。」「いいですよ、暮らしてればその内に何とかなりますよ。」
そう言って紅茶を飲む。・・・やっぱり味はよくわからない。

         でも、何だろう。この猫に対する違和感は・・・。



こうしている内に就寝時間が近づいた。居間を出て少し先にある風呂場で体を洗い、部屋に戻った。
十時に寝る、これがこの家の決まりの一つ。・・・久我峰家は特に無かったんだけど。
ベットに寝る。どうやらすぐに眠れそうだ。普通はなれない場所ではこう簡単に眠れないらしいが俺は関係なしにすぐに眠ってしまう。
色々考える事もあるが、今日は寝る事にしよう。・・・おやすみ。



「はあ〜。」
俺は自分の部屋でもう何度目かの溜息をついた。そう、俺は隆一を騙している。向こうはまだ気づいていないが、時期に気づくかもしれない。もしかしたら気づかないかもしれない。真実を話すべきなのか、それとも・・・。
「そういえば、ここに来た時も秋葉たちは俺に話さなかったな。」
歴史は繰り返す、とはよく言ったものだ。俺は今度は騙す側だ。・・・果たしてこの行為がどういう結果をもたらすのだろうか。



「はあ〜。」
私は自分の部屋でもう何度目かの溜息をついた。そう、私はまた人を騙している。これが本当に良い判断なのか・・・そう信じたい。
「・・・兄さんが来た時もこうだったわね。」
繰り返される歴史、この先もまた繰り返されるのだろうか?。



「・・・姉さん。」「何も言わなくて良いわ翡翠ちゃん。」
ここは台所。私達二人は片づけをしている。そう、皆で私達は隠したいのだ。過去を。でも・・・。
「これが一番良いのかは誰にもわからないの。でも、私達はこうする事を選んだ。これが正しいと思いましょう。」
・・・本当にそれでいいの、姉さん。私は・・・。


こうして、夏の夜は終わりを告げる。







赤、朱、紅、血、血、血・・・
ああ・・・何て不思議な色。自分にも人間と同じ色の物が流れている。
不思議、ふしぎ、フシギ、何で、こんなにも・・・
            
               心が
震える
                      不思議で
    素晴らしい

               なんだ・・・。

さあ、早くあそこへ。
                              血塗れの  

              あの場所こそ・・・。







朝起きると時間は八時、早くも無いが遅くも無い。まだ夏休みだが、色々手続きをしないといけないだろう。この町の地理も頭に入れたい。
ベットから出て着替える。服が置いてあった。・・・さすがはお金持ち。気配りが行き届いている。・・・でも久我峰家でもあったが届きすぎはよくないだろう。例えばいつの間にか部屋に置いといたゴミがちゃんと処理されているという事はこの部屋で何かしたという事だ。・・・まあ、本当は感謝しないといけないが。
居間に行くと琥珀さんがいた。
「おはようございます。」「はい、おはようございます。」
笑顔で返された。・・・笑顔がとても似合う人だ。
「朝食ですね。今できたところですよ。」「ああ、はい、ありがとうございます。」
台所で食べる。
居間に戻る。・・・あ、志貴さんだ。
「志貴さん、おはようございます。」「ああ、おはよう、昨日は眠れた?。」「はい、ぐっすりでした。」
そうか、と言って笑う。・・・へえー、志貴さんの笑顔もなかなかいいですね〜。と、琥珀さんが来た。
「ああ、志貴さん、今日は早いですね〜。」「はは、もう九時ですけどね。」
・・・へえー、意外と朝弱いんだ。
「あ、隆一様。秋葉様が学校の手続きなどで呼んでますよ。」「あ、そうですか。」「はい、お部屋でお待ちになってます。案内しましょうか?。」「はい、お願いします。」
頭を下げる。・・・翡翠さんからこの家の仕組みは聞いたが歩いてもいないので一人でいかないほうがいいだろう。
「それじゃ志貴さん、朝食はいつもの所にありますから。」「はい、いただきます。」
そうして、二人で居間を出て階段を登る。・・・そう言えば。
「琥珀さん。」「はい?、何ですか?。」
階段を登った所で歩みが止まる。
「どうして、<志貴様>じゃなくて<志貴さん>何ですか?。」「ああ、それは志貴さんが<様>はいらない、と仰ったからなんですよ。翡翠ちゃんは<様>で呼んでますけど・・・。」
なるほど・・・それなら。
「自分も変えてくれませんかね?。」
頼んでみた。向こうは少し驚いた顔をした後・・・笑った。
「それじゃ、<隆一君>で良いですか?。」「はい、お願いします。」
こちらも笑った。

秋葉さんの部屋はさすがに広かった。
で、そこで色々転校手続きなどの話し合いをする。・・・この間は<私立>だったがこの町には<市立>しかないらしい。まあ、通えるならどうでも良いが・・・。
そして、学校の下見やら手続きやら学力試験などで時間はあっと言う間に過ぎ九月迎えた。



ところで、一つ見方を変えた事があった。
それは・・・。
「志貴〜、遊ぼう。」「何言ってやがんですか。アー・・・この、えーと。」「とにかくお引取り下さい。」「志貴様。」「まあまあ、落ち着いてくださいな。

志貴さんって、意外と罪な人だと思った。

「ち、違うんだ、りゅ、隆一〜。」
まあ、それなりに楽しい夏休みにもなった。
「お、おい待って・・・。」「し〜き〜。」「「「「あーーー。」」」」

しかし、アルクェイドさんって人じゃないような気がする。・・・まあ、一応異端者の一族だし、指摘するのも悪いから気づかなかった事にしよう。
(・・・イイノカナ?。)



だが、彼は知らなかった。目の前に起きている騒ぎは・・・<かなり抑えた>物だという事に・・・。


後書き
 無理やりですが、九月編に何とか持ち込みました〜。さて、お気づきかもしれませんが、色々と<逆>にしています。どうですかね〜。


記事一覧へ戻る(I)