Red Venus With Masking Smile!!「発端検


メッセージ一覧

1: 天戯恭介 (2002/05/25 23:01:00)[mad_piero at hotmail.com]












「志貴……」

暗い、暗い、とても暗い空間。

一子は細い指で志貴の頬をなぞる。

志貴は瞳を閉じたまま動かない。

―あの、6年前のように―

そして乾一子は遠野志貴をあの時と同じように下の名で呼んでいた。




「発端検
Kyousuke Amagi Presents…
Red Venus With Masking Smile!!
Featuring 【ITIKO INUI】





「ハッ!!」

――裂帛の気合

青子の黒塗りの鞭が一子を襲う。

「フッ…!!」
一子の短い呼吸。

―乾流壱ノ型仇式“剛弦”―(ごうげん)

ピシ!!

青子の鞭が一子に届く前に停止した。
一子の紅い弦が青子の鞭を絡め取ったのだ。

さて、ここで乾家の簡単な解説をしておこう。





どっかぁぁぁぁん!!

「ナゼナニ天戯」

はい、みなさんこんにちわ、謎の新コーナー「ナゼナニ天戯」の司会を務める天戯恭介です。

よしなに。

さて、では記念すべき第一回は「天戯的乾家設定」です。
1)オフィシャルと全然違う。
2)乾家滅茶苦茶金持ち
3)乾流弦術という弦を用いた武術を嗜む家系。

乾流弦術について

―乾流壱ノ型仇式“剛弦”―(ごうげん)

のように「乾流〜ノ型〜式“うんたら”」これが必殺技の名前となります。
「〜ノ型」は1〜9の型まであり、「〜式」は技のバリエーションが多彩すぎて
一部伝承されてない技もあります。総合して九百以上あると設定しました。

では本編

「クッ!!」

二人は睨み合う。

「青子、解き放ちなさい、志貴を!!」

「五月蝿い!!なら“紅縁”を解け、志貴は私のモノだ!!」

「……っ、青子!!」

「お前はいいよ!!本当にな!!知らぬが仏って奴か…?」

パアシィィン!!

ビシィィィ!!

「な、なにを…何を言っている!?」

一子に動揺の色が浮かぶ。

「(ニヤッ)」

パシィィィ〜ン!!

その一瞬の隙を突いて、青子の鞭が一子の左手に握っているジッポを叩き落とした。

「!!……フッ……!!」

素人はここで状況の不利を悟り鞭の届かないエリアに避難し、体制を立て直そうとする。
だがそこで素人と達人の差が歴然となる。

対抗できる武器がなくなったらどうするか?

一子は逆に青子との間合いを詰めた。

そのスピードは真祖達に劣るものの、一瞬、自分の勝利を確信した青子には十分スキをつける速度だ。

ドコ!!

「ぐっ!!」

青子にリバーブローがヒットする。

ドス!!

ドス!!

続けざまのインレンジコンボ。

どてっぱらを狙う集中砲火する一子

「くっ、がはっ!!」

鞭はロングレンジにおいて真価を発揮する武器だ。
しかし一度、ラッシュをかけられれば鞭はただの紐になりさがる。

だが、このまま一子にやらせておくほど青子は弱くはない。

だから一子もまた計算を誤った。

トドメに入ろうと、振りかぶる。

「!!…。」

ゴリッ!!

「!!…っ!!」

苦痛にうめいたのは一子だった。

トドメの右ブローは一子の拳を破壊した。

破壊したのは青子の左肘――

ヒュン…ヒュン…ヒュン……!!

左を振り子のように動かし、右を口元付近に…

「……ヒットマンスタイルなんて…まだあんな隠しダマを!?」

シエルは呆然と呟いた。

ちなみに五大ヒロインはすでに青子の鞭で全員のされていた。

秋葉とアルクェイドなんて地面に頭を突っ込んでいる。

争奪戦開始後、わずか五秒の悪夢だった。

「くっ!!」

青子のフリッカージャブが一子を襲う。

たまらず一子はガードの体制に入る。

縦横無尽、なんの慈悲もなく青子の第二の鞭が襲う。

パシパシパシパシパシ!!

一子の紅いYシャツが裂けていく

(っ…速い!!)

一子はすでにロングレンジに追い詰められていた。

もう一度インレンジに持ち込むには破壊された右手ではいささか辛いものがある。

「……一子、殺してあげる」

「………」

一子の白い肌はフリッカーの連打ですでに腫れ上がっている。

誰もがこの勝負の行く末を容易に想像出来た。

――が、しかし

「ね、姉さん」

「シー、翡翠ちゃん今がチャンスですよ?三馬鹿ヒロインはやられていますし、メインの二人は白熱中で志貴さんを忘れている。
これ以上のチャンスを逃したら絶対私達ここで出番が終ってしまいますよ、いいの?翡翠ちゃん」

「で、でも…」

「タナトス…」(ぽそり)

「!!…(ビクリッ)」

「誰も知らない土地で志貴さんと…」

「……!!」←(桃源郷を見ている)

「はぁ…それにしても志貴さんは重いですね…でもこれが幸せの重みなのですね?」

すでにほっぽかれた気絶した志貴をズルズルと琥珀さんは運んでいく。

一瞬の隙が命取りの戦いをしている二人には当然気付けない。

「姉さん…私も背負います。その幸せ」

「あはぁ、分かってくれましたか翡翠ちゃん」

「じゃあ、行きましょう、三人でレッツタナトスです。」

「悪いがそういうわけにもいかないのです」

「「!!」」

ザッ……!!プスっ

「「え?」」

―乾流八ノ型弐式“忘弦”―(ぼうげん)

「……!!」

「!!……」

二人は志貴を抱えたままその場に倒れた。

そして気がつけば秋葉とアルクェイドも…そしてあのシエルもその弦にやられていた。

気がつけば、そこは僧の大群で囲まれていた。

「「……ちっ」」

二人は戦闘を止め、周りの状況を確認した。

「乾特選部隊……ここまでやるか貴女の義姉は?」

「知らん、それに…こいつら偲義姉(ねえ)の部隊の奴だ。」

「…ああ、自殺マニアね」

「そういうこと」

やれやれと肩を竦める二人

先程のバトルの興が削がれたようである。

そして…この部隊の長が現れた。

「ひさしぶりですね、一子、青子さん」

左目を前髪で隠した黒髪の美女「乾偲」が微笑む

現れた偲に青子は笑顔で、一子は憮然と答えた。

「元気してた?」
「で……なにしに来た?偲義姉(ネエ)?」

偲は表情を変えず答えた。
「……貴女達を保護するために来ました。」

「「保護?」」

「……詳しいことは総帥と千鶴姉さんに聞いてください。私はお使いを頼まれただけですから」

「……嫌だと言えば?」

「……力づくで」

一子は落としたジッポを拾い上げ、

カチン

と、蓋を開ける。

「やる気なのですか?二人とも」

「秀麻呂との見合いは嫌だからな」

「私は別に…ただ木偶に担がれてる可愛い教え子を私にくれれば私は退くけど?」
鞭を広いパシィン!!と鞭を鳴らす青子。

ナゼかと言えば部隊の男が志貴を担いで待機しているのだ。

「……残念ながら七夜の御当主にも少し用があるそうなのでそれは叶いません。」

「……七夜?有間が!?」
一子が驚嘆する。

「…そ、なら…しかたない」
と、青子はさらりと語る。

「乾家に関わるとろくなことないからね、志貴、連れて帰らせてもらうよ。」
青子の瞳が底光りする。

偲は二人の立ち煙る殺気を受け止め、左手を掲げた。

「散・縛」

僧たちが一斉に満身創痍とは言いがたい二人に襲いかかる。

その数十人――

一子は溜め息を、青子は不適な笑みを浮かべ自分の武器を空に掲げた。

―乾流壱ノ型十七式“乱弦”―(みだれいと)

ブシ!!ババババ!!

細く繊細な弦が縦横無尽に駆け巡る。

そしてその弦に当たらない人間には青子の黒い鞭が捉える。

ほんの数秒で偲の親衛隊は壊滅した。

残ったのは偲と志貴を担ぐ男のみ

「……その身体でよくやりますね」
偲が呆れた様子で二人を睥睨する。

「一子…」
「何?」
「……私が囮になるから志貴をお願い」
「!!…貴女なにいってる?」
「乾家の手に志貴が落ちたらまずいのよ…これからの展開を考えるとあんたら二人が逃げたほうがまだマシなの」
「青子…」
「あんたを殺すっていっちゃった手前こんなこと言えないけど…志貴お願いね」

青子が走った。

「青子!!クッ」

一子も遅れて跳躍した。

「偲!!」
「………(ブツブツ)………」
青子の鞭が偲を襲う――だが、その鋭い鞭は空を切った。

「なっ!!」

「ドコを見ているのですか?」
青子の耳元で偲が囁く。

「!?…」
「……貴女にもご同行願います」

トン……

偲が青子の首筋をトンと押した。
「え?」
青子は信じられないものを見たように意識を失った。

―乾流壱ノ型伍式“昇弦”―(しょうげん)

力を振り絞り、一子は志貴に向かい弦を放つ

華麗なる紅い弦の奔流――だが

「裏式がある技は同じ流派の奴には使うなって言わなかったかしら?」

―乾流裏壱ノ型伍式“隆弦”―(りゅうげん)

フシュルルルル!!

一子は目を疑った自分が放った技がそのまま跳ね返ってきたのだ。

直撃――

「きゃああああ!!」
逆流の直撃を受け、一子は壁に激突した。

補足…一部の技には正式と裏式があり裏式とは正式の返し技のこと

「……無様ね」
男がマスクを剥ぎ取った。そこには

べリベリ…

「ち、千鶴義姉さん…」

「……結婚相手を連れて来いなんて優しいこと言うんじゃなかったわ…」

一子の義理の姉、乾千鶴の姿だった。

「最初から…こうすればよかった。」

えらく辛辣な台詞を一子に送り、千鶴は背を向けた。

そして一子の意識もまた、闇に吸い込まれた。

To be Next SS……「発端后

See you again!!

あとがき/君は誠実なエゴイストそして僕は華麗なテロリスト!!スペシャルゥゥゥゥゥ!!
うい、遂に発端も佳境に入りました。次回は遂にSSの要になる乾家に入っていきます。
まだ解明されぬ千鶴と偲…そして総帥とは!?
謎が謎を呼びまくる(?)新展開!!
次回を待て!!

戦闘BGM「Bad Communication E.Style」


記事一覧へ戻る(I)