Red Venus With Masking Smile!!「発端掘


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1: 天戯恭介 (2002/05/21 19:33:00)[mad_piero at hotmail.com]





「……貴女だけだと今誓いなさい」

「………。」

「もしできないのなら……死になさい」


「発端掘
Kyousuke Amagi Presents…
Red Venus With Masking Smile!!
Featuring 【ITIKO INUI】

この物語のヒロイン、乾一子は今とてもやばい事態に遭遇してたりする。

「ったく…!!」

繁華街の中を歩行者の波に逆らって走る。

彼女の信じられないスピードは人の波を巧みに潜り抜けている。

その数十メートル後方ではその一子さんを追いかける三人組の男の姿があった。

黒いスーツを着こなし、グラサンをかけ、およそスパイ映画とかギャング映画に出てきそうな格好をしている。

なんていうか…ありふれた小物っぽい。

「一子おじょうさまぁ!!」

「お嬢さま、止まってくださぁい!」

「今日こそ貴女をお連れしないと私達が千鶴様になにされるか分かったものではないんですよ!!」

三人組は一子の迎えを千鶴に申し渡された者達だ。

彼らの必死の形相から見て千鶴からどんな送り言葉をもらったか容易に想像がつくだろう。

「こんな公衆の面前で……ちっ!!しょうがないな」

一子さんは小さく舌打ちするとポケットから紅いジッポ(一子特製)を取りだし、その蓋を開ける。

――そして、鎌を振りまわすように、それを仰いだ。

ヒュン!!

人の耳には聞こえないほどの高音が三人組に走っていく。

男達はそれに気付かない。

そして一子は小声で呟いた。

「……これで暫く時間が稼げる。」

彼女が雑踏の中に紛れて見えなくなる。

一方、追いかけていた三人組は…

「!!!?な、こら!ひっつくなぁ!!」

「あ、兄貴、今朝、納豆食いましたね!!息臭いっすよ!?」

「あ、兄貴達のお尻…暖かい。」

「「気色悪いこと言うな!!」」

と、白昼堂々互いの体を抱き合っている謎の三人組。

かなり嫌な光景だなオイ。

もちろん変態(?)三人組は善良な一般市民に通報され、彼らは警察にご厄介になるわけだ。

一子がその乾家のSPから逃げまわっているのは千鶴が出した条件

【結婚相手を連れて来い】

を今現在、彼女は満たしていないということだ。

ちなみに一子さんの完璧(?)な計画書はこうなっている。

1)携帯で志貴に連絡「飯作れ」
2)なにがなんでも来させた志貴にクロロホルムで拉致
3)乾家行って適当な言い逃れする。
4)屋敷ではっちゃけてうやむやにする。

唯、その計画の要ともいえる人物は連絡を取れずじまいなのだ。
強制的に約束を強いられたとはいえ、一子はあの義理の親に当たる男の従姉妹(千鶴&偲)との約束を破ったことになる。
ということは否が応にも…

―あのデブと見合い―

一子はその言葉を心で紡ぐだけで寒気を感じずにはいられない。

「……と、とにかく有間を見つけ出して差し出さなければ…」

一子は覚えていない。志貴との「罪と咎」の関係を…。

その頃、遠野家のリビングでは…。

「志貴…?」
「遠野君?」
「兄さん?」
「志貴さん?」
「志貴さま?」

月姫五大ヒロインは目の前の光景を疑わずにはいられない状況に陥っている…。
五人はソファに座る志貴と青子を信じられない面持ちで見つめている。

みな、志貴の爆弾発言に完璧にフリーズしてしまっている。

「兄さん…」

志貴の妹、遠野秋葉がゆっくりと二人を威圧するように口を開いた。

「今、なんて言いましたか?」

「……秋葉それさっきから五度目だよ……じゃあ…もう一度言うよ」

志貴は一度深呼吸するとさっき皆にいった台詞をもう一度吐いた。

「俺、遠野志貴は…蒼崎青子に一生ついていくことに決めた。」

「「「「「本気(ですか!?)×2(なの!?)×1(なんですか!?)×2)」」」」」

一斉にハモル面々。

「貴女達、いい感じではもっているわ。どう?月姫合唱団でも結成すれば?」
青子は軽口を叩く。
だがその安い挑発に乗ってしまうほど、メインヒロイン達は冷静ではなかった。

「お黙りなさい!!泥棒猫!!」
「そうですこの、略奪者!!」
「志貴さまを持っていかないでください!!」
「ブルー…誘惑したのね!!どんな誘惑をしたの!!…色気…そう、妹にない色気ね!!」
「色気がないとはなんですかアルクェイドさん!!」
「その胸で色気について語られても説得力ないですよ秋葉さま。」

いつもと変わらない口喧嘩…。
いつもはここでそっと逃げていく志貴だが、今日は違った。

志貴は五人に見せびらかすように青子の肩に腕を回した。
さも、恋人達がするように、当たり前のように。

「志貴…」
「遠野君…」
「兄さん…」
「志貴さん…」
「志貴さま…」

全員が志貴の行動に冷たい殺意の視線を送る。
だが当の志貴はその視線をものともせず、青子により沿い、子猫のようにじゃれつく。

嫉妬の炎が燃え上がる。

だから、其れゆえ、志貴の薬指に輝く指輪が見えない。

その頃遠野家の門前では…。

「ここが、有間の家…か」

乾一子が遠野家の門を見上げた。

一般庶民を圧倒するどでかい門。

「毎日ここから有間は学校に通っていたのか…。」

ぼんやるとそんなことを考えながら一子はポケットにタバコが1本残っていることを確認すると
その最後の一本に火をつけた。

ふぅ……

煙を吐き出し一子は空を見上げた。

(……もう感傷にひたる年じゃないだろうに…でも。)

と、自虐的な笑みを零す。

(私はいつの間にタバコの味を知ったんだろう?)

と、記憶に残ってないことを考えながら最後の1本を楽しみ
一子は門に手をかけようとしたその時だった。


ドッカァァァァァァァァァン!!

「!?」

一子の目が点になった。

突然屋敷が爆発、炎上したのだ。

「……な、何だ?」

咥えていたタバコを落としてしまう程、彼女は呆然としていた。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………!!」

するとあいつがドップラー効果を乗り越えてやってくる。

そう、一子が求める生贄

「あ、有間!!」

一子の瞳が歓喜に彩られる。
そして瞳が獲物を狙う肉食獣へと変貌する。

「フ……赦せよ、有間…これも私の保身の為」

蓋を開けたままのジッポを彼女は振りまわした。

―乾流参ノ型十三式“紅縁”―(あかえにし)

細い、細い弦が重力に引かれ落下しようとする志貴に疾り、そして彼の小指に巻きつく。

「ああああああああああああああああ!!うぐっ!!」

志貴は無様に頭からの着地はならなかった。

なにか見えないモノが志貴の落下を止めたのだ。

「いっててて…」

「どうした有間」

「え、あぁ…一子さ…ん」

「……たてるか?」

一子は志貴に手を差し出す。
だが当の志貴は

「え?あっ、はい…え〜と…」

まるで、中学生のような反応。
よく見れば志貴の顔は真っ赤だ。

そして志貴はテレながら自分で立ちあがった。
そんな志貴を見て一子はほくそえむ。
誰かさんに似ている。

刹那――驀進音。

「にいいいいぃさぁぁぁぁぁぁぁん!!」

「しぃぃぃぃぃぃきぃぃぃぃぃぃぃ!!」(さま)(さん)

「とぉぉぉぉぉぉのくぅぅぅぅんっ!!」

後方から気力130を超えて野生化が発動している五人。

砂塵を巻き上げ、鬼気迫る顔で走ってくる。

今度はそれを見て志貴の顔は赤から青へと変貌する。

「一子さん、ここであったのも何かの縁です。とりあえず逃げましょう」

「ああ…いいぞ」

『一子さん、ここであったのも何かの縁です。お茶でも飲みませんか?』

『ああ…いいぞ』

「……?」

「どうしました?」

「いや…なんでもない…行くぞ有間…お前に少し頼みたいこともあるしな」

「?……はい、いいで…「そういうわけにはいかないんだよね」

「「!!」」

二人同時に声のした方向へ首を向ける。

「せ、先生…?」

「!!……お前は…!!」

志貴はもっと顔を青ざめさせ一子は苦虫を噛み潰したような顔をしている。

「……まさかこんな早くお前らが邂逅してしまうなんて思わなかったよ…乾家ももう少し時間を稼いでくれればいいのにな」

青子の視線はずっと一子を睨めつけたまま動かない。
対して一子もその視線に怯まない。

竜虎相打つといったところか。

「……私の志貴に紅縁をかけたな…一子、どういうつもりだ?」

「有間はお前のものじゃない…その独占欲の塊のような言葉遣い…変わらないな」

「お前こそ…。欲しい者を手に入れて独占して何が悪い…お前の一般論は以前から好きじゃなかったんだ。」

「自己中な女は嫌われるぞ?」

「うるさいわよ、貴女だってそうじゃない」

「ふん…その青子節は今も健在か…」


売り言葉に買い言葉…二人の間にバチバチと殺気が帯電して渦を巻く…。

その後方では話の展開に乗り遅れた(というか忘れていた)月姫のメインヒロインズ

「……なんだろうね…私達のこの扱いは。」

「なんていうか…数あわせで私達出されたって感じですね…。」

「私達って…また蚊帳の外?」

「あはぁ…なんか作為的なもの感じちゃいますね」

「……もうちょっと私達の出番を増やして欲しいですね。」

【ごめんなさい…よくメールで感想来るんですよ…せっかくの月姫キャラが勿体無いって…】

んでもって本編

「貴女なんかに志貴を渡すぐらいなら…彼をちぎれてしまうまで…」

青子はおもむろに背中から黒い鞭を取りだした。

パシンッ!!

バシンッ!!

地面は青子の高速の鞭捌きでチーズのように抉られていく

それを見て志貴の目が見開かれ、おびえの表情を浮かべる。
条件反射のような突発的な反応で志貴はピクリと肩を震わせた。

「あ、ぁぁ…い、痛いのやだ…」

そうすると志貴は一子の背中へこそこそと隠れてしまった。
情けないぞ…志貴やん

その反応を見て青子はいつも通りの笑顔で

      ・・・       ・
「志貴、別にあの夜みたいなことは今はしないわよ」

「あの夜?」

ギロリ!!
と、一斉に視線が集まる。

「ひぃ…!!」

「そ、わかった?さ、こっちへきなさい、志貴」

「……!!」

指輪が光った。

「志貴…?」
「遠野君?」
「兄さん?」
「志貴さん?」
「志貴さま?」

展開についてこれず、冷静を取り戻す五人…やっと志貴が正気じゃないことをさとった。

志貴は今、青子の虜なのだ。

「……は…「有間」

一子の凛とした声が志貴の鼓膜を刺激し、動きを止めた。

(!?…私の魔術が破られた!?そんな…)

内心では驚いているが青子はそんな表情をおくびにも出さない。

「……有間」

今度は甘く優しい響き…

「……お前は青子に何をされた?」

「……指輪を、はめられました」
と、志貴は正直に答えた。まるで催眠術をかけられたように

「そうか…じゃあお前はそれを外せばいいのではないか?」

「……はい」

(紅縁の効果に縁結びの紅い弦を上乗せさせたのか!?しまった…迂闊だった…)

簡単に言えば込められた魔力が青子より一子さんのほうが数段上だということ――

志貴は指輪に手をかける。

しかし、青子がここで根性を見せた。

「志貴、小指の弦を外しなさい!!」

「っ!!」

あっちに込められた魔力が強いなら、それを超える魔力を指輪に込めればいい。

「!!…青子!!志貴を壊す気!?」
一子が眉をしかめて叫ぶ

「!?ちょっとブルー!?それどういうこと!?」

「……そのまんまよ、一子に取られるぐらいなら私がこの手で志貴を壊す…そうでもしなければ…!!」

「ぐ、あああぁぁ!!」

とうとう、志貴が頭を抱え込みもがき始めた。

「!!…いかん魔術が拮抗している!?」

「兄さん!?」

「と、遠野君!?」

「し、志貴さま!!」

「志貴さん!!」

「くっ…志貴!!」

全員が悲痛な声で愛する男の名を呼ぶ
その姿を見て一子が舌打ちをする。

「……ちっ、青子!!弦を外すから貴女の魔力の供給をストップさせて、本当に志貴が廃人になるわよ!?」

しかし、青子は構わず、魔力を上げつづける。

「青子!?」

「言ったでしょ?志貴をこわすって…私は、私はね…」

青子の頬を一筋の涙が零れた。

「青子…貴女…?」

「志貴を壊さなきゃこの子はまた貴女に走る!!あの悲劇をもう一度繰り返すくらいなら志貴を…!!」

「青子!?何を言っている!?」

「フ…覚えてないの…あな「そんなことさせません!!」

シエルの黒鍵が青子の台詞を掻き消した。

「ッ……!!邪魔をするな!!第七位!!」

「いいえ、邪魔します…遠野君を縛る指輪…外させてもらいます!!」
「……兄さんは他の者でもない…私の兄さんです!!」
「……妹、論点が違うけど…でも志貴を貴女なんかに渡さないわ!!」
「志貴さまは私のご主人様です!!」
「あはぁ、志貴さんをかえしてくださいな♪」

「……なら貴女たちを倒して志貴は頂いていくわ!!」

こうして志貴奪還作戦(共同作戦)が開始された。

To be Next SS……「発端検

See you again!!

あとがき/ありがとうTYPE-MOONさま!!やってくれるぜTYPE-MOONさま!!らっきょドラマCD化スペシャルゥゥゥゥ!!
はい、お久しぶりです。天戯でぇす!!
やっと四話を公開することになりました。
それでですね、このSSがどのくらいの長さになるかというとですね…全7章全40節(アバウトな計算)
ぐらい行きますね…ちゃんと書ききるんで応援よろしく!!

キャラクターテキストを読んでみるとあと数人オリキャラが…(汗)

追伸…らっきょドラマCD化…コレだけでこんな大騒ぎに…すごいぜTYPE-MOONさまは!!

戦闘BGM「LOVE PHANTOM」


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