[an error occurred while processing this directive]


「そろそろ口でして貰おうかな、秋葉」
「はい、兄さん」


 頬をさっきより紅く染めた妹が、少し顔を上向きにして唇を薄く開いている。
 まるで、キスを待つように。
 志貴は少しそれを眺めた後、手で傾きを整え、ペニスの先端を唇の合わせ目
に触れさせた。

 異端のキス。
 花の蕾のようなというありふれた喩えが、この上なく似合う可憐な唇が、醜
悪な傷口の如き鈴口と重なる。
 秋葉はうっとりとその先走りの露がぬめぬめと唇を汚すのを受け入れた。

 そしてゆっくりと志貴は、秋葉の口にペニスを沈める。
 きゅっと秋葉が唇を閉じているのがわかる。
 志貴を拒む為ではなく、逃さぬようにする為に。

 ほぼ、幹の全てが秋葉の口に収まった時、志貴は秋葉の頭に手を置いた。
 それだけで、犬のように秋葉は目を輝かせた。
 尻尾があったら、ちぎれんばかりに振りそうな表情。

「そら、後は秋葉がやるんだ」

 秋葉の頭が前後に動き始めた。
 たちまち秋葉の口によって志貴のペニスに尋常でない快感が沸き立つ。
 蕩けるような気持ちよさに、志貴の腰全体が痺れたようになる。
 体育倉庫で、体操服姿の秋葉が志貴に対し口戯を行っている。
 それは、志貴と秋葉双方を普段の交歓の時以上に興奮させていた。
 おまけに、その秋葉は後ろ手に縛られ、股間もまたロープで拘束されている。
 ごつごつとした結び目を濡れたショーツに食い込ませた淫らな姿で。

 その事実も二人の脳髄を溶かす炎の勢いを上げていた。
 いつものように的確におしゃぶりする為に根元を支えたり、玉袋や幹などへ
の愛撫を加える手が使えないにも関わらず、その不自由な動きですらアクセン
トとして二人は高まっていた。

「んん……、ッんん……」

 喉奥まで兄のペニスを導きながら、秋葉は声を洩らす。
 くぐもった悲鳴のようにも聞こえるその声は、しかしその表情から愉悦の声
と知れる。
 完全に秋葉の動きに身を委ねていた志貴が、自ら腰を動かした。
 タイミングが合わず喉を突かれたが、僅かに咳き込んだだけで慌てて秋葉は
ペニスを舐めしゃぶる行為に戻る。
 耽溺した姿を眺め、志貴は低く声を洩らす。

「いくぞ、秋葉、全部口で受け止めるんだ」

 ずっ、と深く志貴は秋葉の口に突き入れた。
 秋葉もまた口をよりすぼめ、志貴の膨れ上がったペニスの仕打ちを待ち受け、
より深く呑み込もうとする。

 志貴の腰の動き。
 ペニスに走る脈動。
 一瞬嵩を増した亀頭の膨らみ。
 それを唇と舌と口内の全ての感覚で感じ取り、秋葉は志貴の迸りを口で受け
止めた。

 熱く、
 薫り高く、
 たっぷりとした、
 むせかえるほど濃厚な、
 兄の精液を、夢見るような表情で陶然として秋葉は口に迎え入れた。

「秋葉、まだ呑み込むな」

 鋭い志貴の声。
 陶酔の表情で、呑み込もうとしていた秋葉は、慌てて動きを止める。
 口を閉じた状態の為、目だけで疑問の意を示す。

「そのまま口の中に溜めておくんだ。呑むのも吐き出すのもダメだ。俺が許す
までずっとだ」

 幾分、厳しいと言ってもよい兄の命令。
 秋葉は頷くが、どうしてという顔はそのまま。

「さっき罰を与えるって言っただろう? まさか秋葉を悦ばしたのが罰だなん
て勘違いしていないだろうな?
 いいか、口に精液を入れたままで、こんどは下の口で俺の事を喜ばせるんだ。
 反省して一生懸命になっているとわかったら許してやってもいい。でも、手
を抜いたり、口の中のを一滴でもこぼしたり呑み込んだりしたら……」

 いったん言葉を切り、秋葉が理解したかどうか顔を見つめる。
 秋葉がしっかりと口を閉じ、やや顔が蒼褪めているのを見て満足そうに再び
言葉を続けた。

「そうだな、一晩ここで反省させようかな。寒い時期でもないし、ちょっと体
は痛むかもしれないけど、まあ平気だろう。
 ああ、大丈夫、そんな心配そうな顔しなくても。明日は早起きして迎えに行
くからさ。起きられるか、ちょっと不安だけどね」

 面白い冗談だというように、志貴は笑ったが、それは秋葉の顔をよりいっそ
う不安そうにさせた。

「可哀想ですよ、遠野くん」

 シエルが咎めるように口を挟む。
 志貴は意外そうにシエルを見た。

「こんなマットの上に秋葉さんを転がしておくつもりですか。罰としてもちょ
っと酷いですよ。こんな処でずっと過ごすのは不衛生ですし」
「そうかな、まあ、確かに度がすぎるかも……」
「そうです。せめて秋葉さんの教室にすべきです。縛ったりはしないで」
「ふうん?」

 シエルの言葉に今ひとつぴんとこない表情で志貴は首を傾げる。
 秋葉もそれは同じで、眉を顰めてシエルの方に顔を向けている。

「替えの下着や制服もありませんし、シャワーを使うことも禁じますから、顔
も髪も洗えずに、翌日の授業を受けることになりますけどね」

 シエルが意地悪く秋葉を見つめる。
 志貴にはまだよくわからないが、秋葉の様子で、それがかなりの罰である事
を察した。
 実際、秋葉のような少女にとっては、汚れた姿で他人の前に現れるのは、も
しかすると裸で登校しろと命ぜられるのと同じ位の恥辱であったかもしれない。
 たとえ性臭の痕を留めない状態だったとしても。
 志貴はそんな事を考えた。

「どうしようかなあ。その格好で家まで帰らせるのも面白いかもしれないな。
街中を通ってね。ちょっと部活中には見えないかもしれないけど。
いいや、後で考えよう。要は秋葉が言いつけを守れば済む話だしね」

 問うように志貴が秋葉に目をやると、秋葉は懸命に頷いた。

「素直でいいぞ。だいぶ反省効果が出てるじゃないか。じゃあ、お願いしよう
かな、おいで秋葉」

 秋葉は立ち上がりかけ、困ったような、非難するような目で志貴を見つめる。

「あ、そうか、立てないよな」
「手伝ってあげますよ、秋葉さん」

 シエルが秋葉の背後に回った。
 秋葉の下半身を走っていたロープが、ぽとりと簡単に下に落ちた。
 後ろに縛った手はそのままだが、足は拘束から逃れた。
 脱ぎかけのブルマーをゆっくりと外す。
 何故か、そんな光景に不思議なほど志貴は目を奪われた。

「後はショーツですね。ふふ、こんなに濡らしている」

 秋葉の愛液でぐっしょりと濡れたショーツを秋葉の抵抗を物とせず、あっさ
りとシエルは脱がせてしまった。
 そして、そのまま後ろから秋葉の両腿を持って持ち上げた。

「赤ちゃんみたいですね、遠野くん」
「ああ、ミルクを口に含んで、涎を垂らしてか……、そうかもね」

 ちょうど小さい子におしっこをさせる形で秋葉は持ち上げられていた。
 濡れた秘処の何もかもが開いて志貴の目に晒されている。
 そんなポーズを取らされて、恥ずかしげに顔を逸らしている秋葉の姿を魅入
られたように志貴は見つめた。
 その視線を感じるのか、膣口からぽたぽたと新しい蜜液が分泌されて雫とな
って下に垂れている。
 白い肌には緊縛されていた証がうっすらと赤い縄痕となって残っている。
 そのちょっと惨くすら思える様は、志貴の興奮をそそっていた。

「じゃあ、今度はこちらにおしゃぶりさせてあげましょうね」

 シエルは淫らに笑い、秋葉の腿を支えながら膣口を器用に指で開いた。
 薄桃色の花弁の中の鮮やかな紅色をした肉襞の口が開く。
 何度も見て触れた処なのに、この頭を狂わせる状態にあっては、その可憐な
美しさは新鮮に志貴の目を捉えた。

 志貴は、反り返って腹に食い込みそうなペニスを強引に曲げて、上を向くよ
うに立たせた。
 そこへ、秋葉の膣口が近づく。
 また、滴った愛液の雫が、てらてらとした亀頭の表面に落ちて弾けた。

「はやく、秋葉……」

 あえて、シエルの名ではなく、身動きの効かぬ秋葉の名を呼ぶ。
 秋葉は頷き、シエルは秋葉の意を悟ったように動いた。
 開いた花弁が志貴のペニスの先端に触れる。

 先端をやわやわと嬲って包み込む秋葉に、呻き声をあげる志貴。
 柔肉を掻き分けて強引に入り込む志貴に、嬌声を押し殺す秋葉。
 一瞬の静止。
 そしてほとんど落とすような勢いで、シエルは秋葉の体を沈ませた。
 一息に志貴は秋葉の狭道を貫ききった。

「うわ、くぅぅぅ」
「……」

 志貴はあまりの快美感に声を上げ、秋葉は、口を必死で閉じながら、この感
電にも似た衝撃に耐えていた。

「では、私はまた見学に回りますから、後は秋葉さかんが頑張って下さいね」

 シエルがそう言うと、なんとか膝をついてぺたんと座る姿勢で衝撃に耐えて
いた秋葉がはっとして、動き始めた。
 志貴のペニスの根元が前後に揺れる。
 半ばまで幹が現れては埋もれ、その抽送の度に新たな愛液がペニスに塗られ、
志貴の下半身を濡らしていく。

 志貴は秋葉の動きによる快感に、身を震わせていた。
 懸命になって自分を喜ばせようとする秋葉の姿。
 その閉じた口の中には、さきほどしたたかに放った己の精液が収まり、今も
秋葉の口を汚しているのだと思うと、頭が沸騰しそうなほどの興奮を覚えた。
 あえて、さっきのシエルと同じ体位を取ったのは、その味を比べてみたいと
言うある種悪趣味な興味からであったが、密かに下した判定はと言うと、引き
分けであった。
 直腸に異物を挿入され、そうかと思うと無理にそれを抜かれ、異端の感覚を
与えられ邪魔されながらも腰をふるシエルの姿と、今こうして声を出すことを
封じられ、荒くなった息を殺しながら懸命に動いている秋葉。志貴を高ぶらせ
満足させる点では甲乙つけがたかったし、さすがにどちらが悪しと評するのを
躊躇う気持ちがあった。
 
 でも、と志貴は思う。
 シエルのむっちりとした太股に挟まれるのも、秋葉のすべすべとした脚に触
れるのも良いけれど、ここは差が出るな、と。
 ちょうど真上からやや前方の空間。
 さっきまではぶるぶると上下に揺れるシエルの胸がそこにはあり、魅惑的に
志貴を誘っていた。
 柔らかさと弾力のある張りとの見事なまでの両立。
 だが、秋葉はと言うと。
 端的に言えば何も無い。
 体操服が揺れてはいるが、体の動きに僅かに遅れて揺れて撓む魅惑的な膨ら
みは秋葉には無い。
 そこだけを見れば、シエルの圧勝だった。

 それでも志貴は手を伸ばした。
 体操服の布地の上から、掌をあててゆっくりと動かす。
 直接肌に触れれば、微かな膨らみの妙味が味わえ、驚くほど滑らかな吸い付
くような肌の素晴らしさに感嘆させられるのだが、今はそれがない。
 
「うん?」

 それでも弄る指に、何かが引っ掛かる。

「んん……」




                                      《つづく》