月姫 SS
なんだかんだいってデート直前(5/2)#1 (Side : Seven)


 みなさん、セブン、です。
 今マスターに言われて、実体化しています。
 実はマスターったら、はしゃいでいて、とても嬉しそうです。
 なんていうか、お莫迦さんです。
 下着のまま、うろうろとしていて、百年の恋も冷めるといいますか――。
 でもあの喜びよう、うれしがりようは――。
 まるで三歳児のようです。
 マスターって……
 一応確認します。
 聞かれたらどういう目に遭わされるか、わかりませんからね。
 ……大丈夫のようですね。
 裸のまんま、腕組みしてうろうろとしていますよ。
 まるでクマさんですね。
 でもマスターったら、もう二十歳を超えた「お嬢さん」というより「お姉さん」というか、いや「お局さん」というべき存在だというのに――だってあの年で任務だからという理由で、高校に先生ではなく生徒として侵入したんですよ! 
 …………莫迦だと思いません?




























 ――なんでそういう時だけ聞いているんですかー、マスターぁ。
 もぅそんな下着姿のまま、いばんないでくださいよ。
 もぅ20歳も越えると恥じらいというものが……














 ゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさい






 え、実体化しているのなら手伝いなさいって。
 って、実体化させたのはマスターですよ。
   もうお年でボケはじ……


 メ キ ッ ! !


あああああああああああああああ
 もぅ乱暴はよしてくださいよー、わたしは守護精霊なんですよー。
 泣き言はいいから早く、って…………う゛ーマスターのおーぼー!

 実体化させたのは、どうやら衣装あわせのためだとか。
 今日の天候は曇りで、明日晴れるかどうか50(%)だとか……。そのためマスターは晴れた時のコーディネートと雨の日のコーディネートを考えて悩んでいるんですよ。
 ……でも莫迦ですね。
 で、可愛いですよね。
 どうせ、脱いじゃうのに……いえ、なにもいってませんよ、えぇ。
 あ、その服は雨の日だと暗くてそのワンホイントは気づきづらいですから、柄物にしたらどうですか?
 …………
 …………
 …………
 …………ふぅ、ごまかせたようですね。
 毎度毎度、マスターのおーぼーをこうむっているわてげはありませんからね。
 ……ふ、いつか呪いをかけて、ひーひーゴメンなさい、と言わせる日も近いようですね――。


 メ コ



 あー口に出してましたかー
 うううう、失敗しましたぁぁぁ。
 ――って、マスター、色っぽいですね。
 そんなに大胆なワンピースを着ていいんですか?
 前から見るとそんなんでもないのに、後ろはがばぁと開いていて――腰まで見えてますよ?
 前回のはどうしたんです?
 え、不浄者にうち勝つためには、清楚さと同時に色っぽさを演出してって……
 だから前回のは――しまってあるって……。
 また買ったんですか、マスターったら。
 もぅ人には人参も買ってくれないというのに。
 いえなんでもありませんよ。
 でも清楚さと色っぽさだなんて。
 マスターそんなことを気にしなくても大丈夫ですよ。
 えぇ、本当ですよー。
 この白い角にかけて誓いますってば。
 志貴さんはマスターにベタボレですし。
 えぇ絶対に間違いないですよー。
 それに朴念仁でそんなこと気づかないような鈍感でニブチンですから、いっそ下着姿のまま行かれた方が……
 ああああ、ベンチとかノコとかなんですか!
 どっから出したんですか、マスターぁ。
 ねぇデートの準備なんですから、落ち着いてくださいよー。
 え、ナルバレックのいうとおり直接攻撃力も必要ですかねー、って
 あわあわあわ、そんなのいりませんよー。
 ドリルってあのグルグルまわるヤツですか?
 えぇ知っていますけど……
 その角が回転してこぉグリグリって――イヤー、タスケテー。
 改造はいやですぅー。
 ガラ
 ゴソゴソゴソ
 パタン。
 ………………。
 …………。
 ……。


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