「あの〜」


僕の情けない声が虚しく響く。


それでも自体は何も変わりは無しない。


仕方なく、もう一回呼んで見る。


「あの〜。鮮花さん?
コレは一体どう言う事でしょうか?」


僕の横に仁王立ちしておられる妹の鮮花に声をかける。
しかし
鮮花は僕を見下ろすと。


「フン」
とそっぽを向いてしまって。








「お・し・お・き」



月詠



ああもう。
いきなりなんだって言うんだ。


起き上がろうと体に力を入れてみると。
がちゃり。


何やら重たい音がして体はそのままの状態で固定される。

え、もしかしてこれは。


ヒョイと首を横に向けて自分の手を見る。
そこには。
がっちりと床に固定されている。
何やら罪人が逃げ出さない様にしっかり固定する拘束具の様だ。
だとすると。


今度は首を持ち上げ、足を見る。


ああ。
やっぱり。


足の方も同じくこれでもかと言う位に固定されてる。
格好は、どこかの宗教の神様みたいと言えば分かりやすいだろうか?


何度かもぎ取ってみようと力の限り動かしてみるが。
僕の力ではびくともしない。
無駄な労力を使った気がする。


無駄な足掻きは止めて。
仕方無いので横に立っている鮮花にもう一回声をかける。
でも、無駄なんだろうけどな。


「鮮花、コレは一体どう言う事なんだ?」


顔の傍に立っている鮮花に聞く。
又も鮮花は僕を見下す様に目を向け。
一歩僕に向かって前に出る。
そうすると見上げている僕の上には鮮花の足から上が視線に入って来る。


「何です幹也。そんなにまで妹の「ぱんてぃ」が見たんですか?
まったく幹也は変態なんですから。
変態でロリコンでスケコマシなんですね。
まったくどうしてこんな平々凡々な人を好きになってしまったんでしょ?」


かなり言いたい放題言ってくれる鮮花。
しかしワザと見える様に動いたのはそっちじゃないか。
僕はそんな事一言も言ってないぞ。
でも何気に言い返せないのが悔しい。


「でも、鮮花。
コレだけは言わせて欲しい。
僕はロリコンじゃないぞ。
どこかの作家とは違うんだ」




しかし


「いいえ。
幹也は間違いなくロリコンです」


とか言いながら自分のスカートを少しずつ持ち上げていく。
そうすれば当然視線はそのスカートの裾に行ってしまう訳で。


「ホラ御覧なさい。
ロリコンじゃないですか、しかも相手は自分の妹ですよ。
そこまでして「いもうとのぱんてぃ」が見たんですか?」


「いや待てって。
オトコなら誰でもそんな事されれば見ちゃうって。
それに鮮花も女の子なんだからそんなはしたない真似は止めなさい」


毅然とした態度で妹を諭す。
が。
そんな兄の想いとは裏腹に


「そこまで言うのなら証拠を見せて上げます」
パチン、と指を鳴らすと。


僕の足元から一人の人影が見える。


その人影は。


「藤乃、ちゃん?」


「ええ。
御機嫌よう、先輩」


ニコリと微笑む藤乃ちゃん。
ああ。
やっぱり綺麗な娘に微笑まれると癒されるなぁ。




って。
アレ?


「藤乃ちゃん、その格好は」


「ええ。私はシスターですか、そうですか。
それならばそれでその姿を甘んじて受け入れましょう。
それこそが私の罪なんでしょう」


ああ、藤乃ちゃんも何やらおかしいし。
君たち僕に何か怨みでもあるのか?


「大有り名古屋は城で持つんですよ。
何だって私達をこうも簡単に見捨てて
あんなバカシキなんか選んだんです。


ですからコレはお仕置きなんです。
お仕置きなんですから
幹也にはウンと苦しんでもらわないといけないんです」


キッパリハッキリと鮮花は言い放つ。
のは良いんだけど、コレのどこがお仕置きなんだ?


「鮮花。お仕置きは分かったけど。
コレで苦しむなんて、出来ないよ」


いやまぁ。
今の状態は確かにお仕置きかも知れないけど。




「では、次です。
藤乃、ヤッちゃって」


又もパチンと指を鳴らす。
何だって君はそう言う仕草が素敵な程に似合うんだ?
君の行く末が心配だ。
まかり間違って僕の雇い主見たくはならないだろうな?


「では先輩。
覚悟をなさって下さいね」
藤乃ちゃんはそう言いながら僕の体をよじ登って行く。


足から腰に。
そこでストップして。
僕の腰に手を回し。


そこから一つのモノを探り出す。


フフフ
なんてとても艶やかに笑う藤乃ちゃん。
いや、とても色っぽいんだけど。
どこかそこに「悪戯」の匂いがしてならないんだけど。


藤乃ちゃんはズボンのファスナーを探り出し。
それを口に咥えて。
ゆっくりと下ろし始めた。


ジーと緩やかな音がして。
ファスナーが降りて行き。
やがて
完全に下ろし終えると。


又ももぞもぞと開いた箇所を弄る。
そう言う事をされると。


僕もオトコな訳で。
オンナノコにそう言う場所を触られていると思うと。
例え、妹が見ていようが
反応してしまう訳で。




藤乃ちゃんはそんな僕の反応を楽しむ様に更に力を入れて来る。
イヤ、勘弁して。
それ以上は、流石に止めようよ。


「幹也。
やっぱり変態のロリコンじゃないですか。
妹が見ている前で。
触られた位でもうそんな大きくして。厭らしい」


蔑む様に僕を見る鮮花。
厭らしいって
誰だってこんな事をされればこうなるんだって。
謂わばコレはオトコの生理現象。
仕方が無いんだって。


「先輩、気持ち良いですか?
私の手は」


藤乃ちゃんもそう言う事言わない。


「もっと気持ち良くして上げますね」


藤乃ちゃんは僕の答えを聞かず。
下着の中から大きくなった僕のソレを引き出すと。
上下にゆっくりと擦り出す。


「気持ち良いでしょ、幹也。
気持ち良いですよね。
良いんですよ、気持ち良くなって。
しっかりと勃起してもらわないと後が困りますから」


「だから鮮花。
女の子がそう言う事を口にしちゃダメ。
例え、知っていても男性の前で嬉々として言うもんじゃないぞ」


「先輩。
コレならどうですか?」


途端。
今までとは違った快感が駆け抜ける。


うわ。
何を。


がばっと顔を上げる。
見れば藤乃ちゃんは僕のソレを口に含んでる。


「ふぇらちお」って奴だろうか。
今までそんな事された事も無い僕にはその快感は激し過ぎた。


「ダメだって。それ以上されたら。
もうイッちゃうって」


がちゃがちゃと
拘束具を鳴らして何とか抵抗するけど。
そんな事で許してくれる程、今の鮮花は優しくは無くて。


「藤乃。
幹也をイカしちゃダメよ。
イク瞬間で止めてね。
ソレこそ生き地獄を味わってもらわないと」


残酷すぎます。
鮮花さん、ソレはいくらなんでも。




その快感のままイケないなんて。
蛇の生殺しじゃないか。


もしかしてこのまま
僕は布団に簀巻きになって
マンションから一晩中ぶら下がっている事のなるのか?


ソレもイヤだ。




藤乃ちゃんの巧みな技でもうそこまでせり上がっている
快感を引き伸ばされ。
絶頂を迎える事無く果てを迎えられなく。


上り詰める一歩手前で止められ。
衝動が収まるのを見て又同じく上り始める。


何度そんな事が繰り返されたろう。


果てたくてもソレが出来ない。


もう妹の前だろうが
藤乃ちゃんの口の中だろうが、関係無い。
早く絶頂を迎えないと、気が狂ってしまいそうだ。




「鮮花。早く、何とかしてくれ。
このままじゃ気がおかしくなるって」


ブンブンと首を左右に振りまくる。
そんな僕を見て
鮮花は艶然と微笑む。


「降参ですか?幹也。
降参なら「お願いです、鮮花。鮮花の中でイカせてくれ」って
言って下さい、幹也。
そうすれば開放してあげますよ」


普段だったらそんな事言えないし、そんな事を言う鮮花を叱咤するのに。
流石にココまで焦らされて
もう気が変になってる僕に正常な反応を求めるのは無理な相談だった。




「お願いだ、鮮花。鮮花の中でイカせてくれ。
頼む、これ以上焦らされたら本当に気が狂う」


体を狂った様に揺らしながら
僕はとんでもない事を(その時はそう思わなかったけど)口走る。




鮮花は。
その僕の言葉を聞いて、満足気に頷く。
スカートの中に手を入れ、もぞもぞと腰の辺りを動かし。
履いていた下着をスルリと下ろす。


そのまま僕の上に跨って。
藤乃ちゃんが今まで口に含んでいたソレを自分のソコにあてがい。




一息に腰を下ろす。


ズンと、何かが入っていく感触がソコから全身に駆け巡る。
熱くて滑っていてキツイ。
まるで幾重にも重なった柔らかい手に包まれている様な。




「ああ。コレが夢にまで見た幹也の。
分かりますか?
幹也のが私を貫いているんですよ。妹の私のをこんなにも激しく荒々しく」


顔を上気させて髪を振り乱し一心不乱に腰を揺する。
僕の胸に両手をついて激しく動く。


「鮮花、ダメだって。
そんなに動かしたら中で出ちゃうって」


「良いんです、幹也。私の中で果てて下さい。
いえ。果てなさい、幹也」


その言葉の通りに僕をイカそうと
いっそう激しく鮮花は腰を動かす。


不味いって。
幾らなんでもソレは不味いでしょうよ。


近親相姦の上に中出しなんて。
流石にこれ以上はやばいって。


「鮮花、本当に出ちゃうから。
抜いてってば。
ソレは流石に勘弁だ」


「なにを、いってるんですか。
幹也、オトコは度胸ですよ。
何事も経験です」


とんでもない事を言ってくれる妹。


こんな経験はしたくは無いぞ。
どっかにはいるかも知れないけど。
少なくとも僕はしたくない。




「ああ。もうダメだ。
鮮花、抜いてくれ、頼むから」


「ダメです。
イクなら中でイッテ下さい。
イキそうですか?
イキそうなんですね。
さぁ、イッテ下さい。
私の中に思いっ切り出して下さい!!」


トドメ!!とばかりに
最高にまで締め上げてくる。


最後の最後にソコまでされたら・・・・


ゴメン、鮮花ッ!!


背徳の甘い痺れる快感を感じながら
僕は鮮花の中に大量に僕の欲望を吐き出した。






























・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・




・・・・・・・






・・・・・




























「と、言う夢を見たんですが、橙子師。
コレってやっぱり私の願望なんでしょうか?」


「願望だろうさ。間違い無く」


ずんばらりんと一刀の元に切り捨ててくれる。




「しかし又素敵な夢を見るモンだね、お前さんも」
コーヒーを一口飲みながら
橙子師が呆れとも取れる様な口ぶりで感想を述べる。


「そうですかね。恋する乙女は大抵見る夢だと思いますが?」
私も緑茶を飲みながら答える。


ただ、皆こんな夢は見るだろうが出て来る人間が違うだけで。
私の場合はソレが兄である幹也だっただけで。
大してそう変わりは無いと思うけど。


「夢は誰でも見るがな。
その内容も思春期ならば淫夢も仕方が無かろう。
がお前のはその中でも飛びっ切りの特殊なものだ」


胸のポケットから
煙草とライターを取り出し。
フゥ〜、と紫煙を吐き出す。


「生憎と私は心理学者じゃないしな。
その夢判断でもして欲しいなら、お門違いだ。
どうしてもしたいなら、フロイトでも呼び出すんだな。
おっと。
コレは私の得意分野になるのか」


クックックックと、人の悪そうな笑いをする。


私はそんな橙子師の笑いを無視して。
目の前にあるクッキーを一つ齧る。


ここは
幹也の職場であり
私の師匠でもある橙子師が仕事をしている所。


学校を抜け出して
幹也に挨拶でもしようかと思って足を運んだが、空振って。


たまたまそこにいた橙子師と
午後のお茶会に雪崩れ込んだ、と言う感じ。




それにしても幹也遅いなぁ。
どこまでお使いに行ったんだろう。
橙子師の話じゃ、近くのコンビニって言ってたから。
ソロソロ帰って来てもいい筈。


はしたなくクッキーを咥えたまま上下にブラブラさせる。
何気なく視線を外に向ける。


外は真っ青な快晴。
雲一つ無い。
このままどこかに行ってしまいたなぁ。


ポケーと暫く外を眺めている。
そんな私を見て
クックックと喉の奥で笑う橙子師。






そして
扉の外では
今の鮮花の夢の話を聞いてしまい。
開けるに開けられなくなってしまった、僕。


女同士の何気無い会話なんだろうけど。
どうにも入りずらい。
第一どの面下げて声かければ良いんだよ。
あんな事聞いちゃ、意識しないなんて出来っこないし。


































その後、一週間鮮花の顔がまともに見られなかった僕と。
ソレを避けられてると勘違いした鮮花が自棄になって暴れて
式もその余波に巻き込まれてしまい、又一波乱有ったけど。
ソレは別の話。






































































「でも幹也。必ずこの想い、遂げますからね」




お・わ・り

後書き
鮮花:ハイ、ココまで読んで下さって・・・・・ホント飽きないわね、この台詞。
藤乃:でもちゃんとご挨拶しないと。
月詠:ああ。流石は良家のお嬢様。どっかのがさつな輩とは根本から違う。
鮮花:何よ、私に喧嘩売ってるの?
月詠:自覚、あるのか?自分ががさつだって。
鮮花:(クッ)それでは今回のSSですが。
藤乃:これも両儀「色」祭りですね。
鮮花:内容は皆様から文句が爆発しそうな「夢オチ」です。
藤乃:でもなんで私だけコスプレなんですか?
月詠:何となくあっしの中でふじのんはそう言う清純と言うかそんなイメージが。
式:フン、どうだか。そいつの本性は人殺しだ。
鮮花:式、まだそんな事言ってるの?
藤乃:構いません、何と言われようとも私の犯した罪は消えませんから。
月詠:そう言う所がシスターと言うか、巫女さんチックと言うか。
式:和服なら俺の方が似合うぞ。
鮮花:ドコで張り合ってるのよ。
藤乃:いいんですよ、鮮花。何かとチョッカイ出したいんですよ。
鮮花:同類憎悪って言うのかしら、これも。
月詠:まあソレは他でやってくれ。ここでは刃物沙汰はご法度だからな。
鮮花:しかしギャグなのかエロエロなのか分かりずらいわね。
藤乃:鮮花。女の子なんだからそんな言葉使わないの。
式:女だからって構わないだろ。じゃ俺なんてどうなる?
鮮花:あんたはいいの。
式:お前に言われたくないね。
藤乃:二人とも喧嘩しない。ダメよ、仲良くしないと。
月詠:(何でだ、藤乃ちゃんがとてもしっかり者のお姉さんに見える)
鮮花:コレ読んでちゃんと悦んでくれるのかしら?
藤乃:後は読んだ方の脳内変換と言う事で。
式:思いっ切り他人任せだな。
月詠:いいの。コレだって十分えちぃでしょうが。
鮮花:そうかしら?だって・・・・・・
藤乃:そうね、確かに・・・・・・・・
式:だけどさ・・・・・・・・・・・・
月詠:(どうして女同士だとこうも会話が過激になるんだ?)
鮮花:(以下自主規制)
藤乃:(以下自主規制)
式:(以下自主規制)
月詠:すいません。居た堪れなくなって来たのでココで〆ますね。
鮮花:え〜。まだ話の途中よ?
藤乃:もう少し話せませんか?
式:なんだ、思ったより初心じゃないか。
月詠:うっさい。〆るったら〆るの。
鮮花:ハイハイ。では。
藤乃:ここまで読んで下さって真に有り難う御座います。
式:それじゃ。な。又どこか出会おうぜ。
鮮花:ソレでは御機嫌よう。






































後書きの後書き(舞台裏)


えーと。
月詠です。
まだ大丈夫ですかね。
ロスタイムにこうやって出すなんて確信犯的ですが。
そう簡単には問屋は卸しませんよ?
ええ、まだこれから怒涛の如く。
嘘です。
これ以上は無いです。


さて。
今回のSS「お・し・お・き」
如何だったでしょうか?
鮮花の長年の夢が正に叶った(筈)
でも現実ではやっちゃいけないぞ。
君なら本当にやりそうだけど。
せめてやるならちゃんと避妊位しなさい。(ソレも違うのか?)


では。
お祭りも最早残り僅かになりました(意図的に伸ばした訳じゃないですよ?)
最後まで頑張って下さい。


月詠でした。



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