閉会の辞




 沢山の作品の投稿、ほんとうにありがとうございます。



 月姫ではMoonGazerさんが色々と主催しておりまして、ある程度の規模は予想していたのですが、ここまで盛況になるとは思いもしませんでした。
 SSは全部で29作、CGは11作、計41作(!)も掲載されました(主催の作品をはぶいたとしても、SSは26作、CGは7作で、計33作品です)。

 18禁のお祭りでありながら、ここまでの応募があるとは吃驚しています。


 まずは投稿作品の著者の方々に、感謝の意を表したいと思います。





 さて、艶話というのは古来からある、文化の一側面です。
 光源氏の話はどうみても睦言のくりかえしですし、デカメロンはそのままですし、サディズムの語源となったサド侯爵の逸話も秀逸です。
 古典的名作となったものから、最近のもの――これはあからさまに艶話ではなく猥談が多いのですが――まで、様々あります。
 常々思っていたのですが、物事にはセックスやエロティックを通じた向こう側にしかないものも存在すると思っています。
 そうしないとたどり着けない場所というもの、そうしないと語り合えない場所というものも、確かにあるのです。わたしがX-Rating ( 成人指定 ) を書く理由はそこにあります。
 慈しみあうもの、互いに惹かれあうもの、ただ肉欲に溺れたもの、体の相性がいいだけのもの、おざなりで行うものまで、数多くあるわけです。



 さて、空の境界でエロティックな向こう側にあるものの表現、を私的な目標として開催したのですが、意外や意外。投稿された方々は色々趣を凝らし、様々なかたちで、それらを描いてくれました。
 ほのぼのもの、ギャグ、爛れるような溺れるようなもの、傷つけ逢うしか互いを認められない蒼いもの――ほんとうに様々です。
 これはX-Ratingだからこそ書けたものであると思います。その向こう側を垣間見せてくれる秀逸な作品ばかりで、祭り主催者として、また一参加者として楽しませていただきました。
 そしてこれらの作品にふれた方々も楽しんでいただければ、主催者としてそれにまさる喜びはありません。




2003年 6月2日
大崎 瑞香 拝



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